タブレットからPCまで、マルチスクリーンに対応

トゥービーソフトジャパン、最高執行責任者 崔彰桓氏

従来のWebアプリケーションにおけるロジック部分は変更することなく、そのUIをマルチデバイス、マルチプラットフォームに容易に展開できる点がXPLATFORMの強みであるという。トゥービーソフトジャパン、最高執行責任者の崔彰桓(チェ チャンファン)氏は、「こうした特長は多くのRIAベンダーが掲げているが、XPLATFORMではこれらに加えて『マルチスクリーンサイズ』にも容易に対応できる」とする。

例えば、iPadやAndroidタブレットなどのデバイスでは、ユーザーがアプリケーションを縦と横のどちらの画面でも使いたいと考えるケースが多い。XPLATFORMではMLM(Multi Layout Manager)と呼ばれる機能により、ルールに従ってコンポーネントの配置場所を自動的に変換できる。また、画面サイズの大きなタブレット向けに作られたUIを、スマートフォンの小さな画面で表示させたい場合は、画面の要素を自動的に分割してページ単位に切り分けるといった処理も行える。

XPLATFORMのMLM(Multi Layout Manager)により、タブレット画面の縦/横表示に対応したレイアウト変換も自動で行える

さらに、端末ごとに異なる画面サイズに柔軟に対応するために「Anchor」と呼ばれる機能も用意されている。これは、画面に配置されたコンポーネントの大きさを、画面サイズ(解像度)に合わせて比率で自動的に調整し、適切に表示させるというものだ。これらの機能は、マルチデバイス展開を念頭に置いたUIの開発生産性を大幅に向上させるという。

韓国と日本のコラボレーションでアジアからグローバルを目指す

XPLATFORMの今後のビジョンとして、金氏はまず「プラットフォームの統合」を挙げる。現在は「開発環境」を提供しているが、今後は開発から検証、テスト、配布までのプロセスをサポートできるよう、ポートフォリオを拡充させたいとする。

また、ビジネスアプリケーションにとって重要な「データの統合」についても強化していく。現在は、トランザクション系のデータを扱う部分に注力しているが、今後はOLAPやBIなどをターゲットに、レポーティングやデータ分析向けの表示コンポーネントも拡充するという。さらに、テキストなどの非定型データを含むビッグデータのビジュアライズを容易にするための機能強化なども計画している。金氏は「2014年には、この構想を支える具体的な製品が完成する予定だ」と話す。

トゥービーソフトでは、ビジネスユースのRIA開発に特化し、顧客の要望を取り入れながら、必要なマシンリソースが少なく、使い勝手のいいコンポーネントを今後も追加していくとする。さらに、展開先のデバイスについては、PC、ブラウザ、スマートデバイス等、最新の市場状況に即したあらゆる環境への対応を進めていくという。日本でも徐々に導入社数を増やしている背景としては「Webの標準的な技術を利用しつつ、ビジネスプラットフォームとして将来的なビジョンが明確な点が認められているのではないか」(崔氏)という。

「BUX」を核としたXPLATFORMのビジョン

金氏は、トゥービーソフトとしての今後の目標のひとつとして「日本と韓国とのコラボレーションによるグローバル進出」を挙げた。

「これまで、ソフトウェア分野においてアジアからグローバルに進出したものは非常に少ない。しかし、トゥービーソフトと日本のパートナーとのコラボレーションによって、それが可能になるのではないかと考えている。韓国は、とにかくスピード重視で、何か必要なものがあれば、とりあえずすぐに作ってみる。一方、日本では品質と安定性を重視して、非常に細かい部分まで検討する。実はこの組み合わせはバランスがよく、結果的により充実した製品を作り出すことができるのではないかと思う。今後、日本のパートナーとの連携をより深めつつ、グローバル進出を図っていきたい。あえて、新規参入が難しいとされる日本市場への本格的なチャレンジを決めた理由はそこにある」(金氏)

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