米Yahooが5月23日(現地時間)に、iOS用ブラウザ「Yahoo! Axis - Search Browser」と、パソコン用ブラウザにAxisの機能やサービスを追加する拡張機能の提供を開始した。Axisは、Webブラウジング体験を高める検索機能とブラウジング機能を、iOSデバイスや主要なパソコン用ブラウザに追加する。同社はこれを「検索ブラウジング」と呼んでおり、異なるブラウザやデバイスでAxisが提供する共通のブラウジング体験を利用できるようにすることで、Yahoo!検索にユーザーを引き戻そうとしている。
iOS用のYahoo! AxisはスタンドアロンのWebブラウザとして機能するが、DolphinやMercuryと同じように、iOSプラットフォームが提供するWebKitレンダラをベースにAxis用のブラウザに仕立てたものだ。iPhone/iPod touchおよびiPadに最適化されたユニバーサルアプリで、動作環境はiOS 4.3以上となっている。パソコン用ブラウザにAxisの機能やサービスを追加する拡張機能は、Chrome用(全バージョン)、Firefox用(v7.0以上)、Internet Explorer用(v9.0以上)、Safari用(v5.0以上)が用意されている。
Axisは、インタラクティブ検索とオンラインブックマーク機能、クロスデバイス同期の3つをコア機能とする。検索ブラウジングという言葉の通り、検索ボックスを中心としたWebブラウジングを実現する。検索ボックスに検索語を入力すると、ボックスの下に検索語候補と共にWebページのスナップショット画像も表示され(画像検索では写真サムネイル)、それらが1文字入れるたびに素早くアップデートされる。また天気予報や映画の上映時間など、日常的な検索トピックにはAxisが直接情報を提供するクイックアンサー機能も備える。
通常ブラウザでWeb検索を行った場合、Webページを開いた後で検索結果に戻るには「戻る」ボタンを押したり、またはタブを切り替えなければならない。Axisでは、検索とWebページブラウジングが共存する。ワンクリック(iOSアプリではワンスワイプ)で最後の検索画面を呼び出せ、またWebページを開きながら検索を継続することも可能だ。
Axisでの検索履歴やブックマークはYahoo!のクラウドサービスに保存され、ユーザーはYahoo!、Facebook、Googleなどのアカウントでサインインすることで、異なるデバイスからクラウドにデータを同期して利用できる。例えばパソコンでの検索をiPhoneで続けたい場合、iPhoneでAxisのホーム画面にアクセスし、「Continue from device」でパソコンを選択する。
「検索結果ページと数々のリンクをクリックしながら行き来する、デバイスが変わったらまた最初からやり直しになるという、これまでの検索・ブラウジング体験を変える初めての試みになる」とYahoo!のEthan Batraski氏。「Axisは検索体験を連れ歩けるものにする」と述べている。