米Zendeskは5月25日、高品質のカスタマーサポートを素早く導入できるクラウドベースのヘルプデスクソフト「Zendesk」の日本市場参入に関する記者説明会を行った。同ソフトではWeb、Eメール、コールセンターや問い合わせフォーム、およびTwitterやFacebookなどのSNSに寄せられるエンドユーザーからの問い合わせを一元化して管理することができる。
記者説明会で登壇したバイスプレジデントアンドジェネラルマネージャー(APAC)のマイケル・ハンセン氏は、Zendeskのサービス概要について説明を行った。社名および製品名についている"zen"は日本の「禅」に由来するもので、具体的には"簡素で品格があり、効率的なもの"を意味しているという。今日、エンドユーザーは電話、Web、Eメール、SNSなどあらゆるツールを使い、昼夜を問わず企業と連絡が取れる環境を望んでいる。それは、応対する企業がそれ相応の負担を強いられていることの裏返しでもある。
今回サービスインが発表されたZendeskは、そのような複雑化したユーザーからの問い合わせを一括して管理できるというもの。同社製品を使えば、オペレーターの仕事効率の向上や顧客サービスの改善/拡大を期待できるという。Zendeskの主な特長は、以下の通りだ。
- 数分で導入が完了し、ローコストで運用を開始できる
- iPhone/iPad/Android/Kindle/BlackBerry/WindowsPhone対応アプリの提供により、モバイル端末からもユーザーサポートが可能
- 90以上のサードパーティーソリューションとの統合、Twitter、Facebookからの問い合わせ管理に加え、主なCRMソリューションとの統合も可能
- 導入企業の会社ブランドに合わせたカスタマイズが可能
- サポート品質向上のための分析レポートを入手可能
- 自動的に顧客満足度がトラッキングされるため、より確実に満足度向上を目指すことが可能
ハンセン氏によれば、同社サービスは小規模なスタートアップ企業からAdobe社、Sony Music社、Groupon社など大手企業まで幅広い企業への導入実績があり、現在15,000以上のクライアントがカスタマー、パートナー、そしてインターナルのサポートにZendeskを使用しているとのことだった。
続いて登壇した同社CEOのミッケル・スヴェーン氏は、Zendesk創業者のひとり。説明の冒頭、会社創業当時のエピソードを落ち着いたトーンで紹介した。Zendeskは2007年にコペンハーゲン(デンマーク)の若者3人により「カスタマーサービスをデザインし直す」ことを目的に創業されたという。その後わずか5年で15,000以上のクライアント、140カ国7,000万人のカスタマーに従事する会社に急成長を遂げた。
ユーザー企業にもアクセスするエンドユーザーにも使いやすいツールを目指し、いまの形に行き着いたというZendesk。企業に寄せられる問い合わせを一括管理でき、Googleをはじめとする他のサービスとの統合も容易になっている。同氏は「洗練されたインターフェースで、オペレーターにも使いやすい。オペレーターが満足すればその仕事の効率も良くなり、ひいてはエンドユーザーの満足度も向上する」と語り、Zendeskの特長をアピールした。今回、日本語に完全対応した製品(無料体験版もあり)がリリースされるほか、サポートデスクには日本人を配置するという。サービスは年間20ドル(1,600円)から利用が可能なので、企業の効率化・コスト削減にも大きく貢献するとしている。最後にスヴェーン氏は「今回、日本で本格的にサービスをスタートできたことを嬉しく思う。Zendeskを通じて、日本の企業には真の国際企業に成長してほしい」と語り、話を締め括った。
同社ビジネス開発部の國村寛氏からは、製品を使ったデモが紹介された。カメラ製品を扱う会社がユーザーの問い合わせに対応する、という設定。スクリーンには、会社のカスタマーサービス担当者が扱うUIが映し出された。
CEOのスヴェーン氏によれば、TwitterやFacebookのようなソーシャルメディアをカスタマーサービスに利用している企業は現在、(15,000社のうちの)3割~5割ほどに及ぶという。