外務省はこのほど、米国における対日世論調査の結果を発表した。同調査で、アジアにおける米国の最も重要なパートナーを聞いたところ、一般国民は「日本」、有識者は「中国」を挙げた人が最も多かったことが分かった。

同調査は、1960年以来ほぼ毎年実施。今回は、18歳以上の1,200名を対象とした「一般の部」、政官財・学術・マスコミ・宗教・労働関係など各界で指導的立場にある200名を対象とした「有識者の部」に分けて、電話調査にて行われた。調査期間は2月~3月、委託先はギャラップ社。

同調査で、アジアにおける米国の最も重要なパートナーはどの国かと尋ねたところ、一般国民の間では「日本」が首位で50%(昨年31%)となった一方、有識者は「中国」が最多で54%(同46%)だった。2位は、一般国民が「中国」で39%(昨年39%)、有識者が「日本」で40%(同28%)。

一般国民が日本を選んだ理由としては、「政治的な結びつき」がトップで44%(昨年29%)。以下、「貿易・経済関係」が21%(同29%)、「技術力」が17%(同15%)と続いた。

それに対して、有識者が中国を選んだ理由で最も多かったのは「貿易・経済関係」で37%(昨年43%)。次いで、「技術力」が26%(同16%)、「国の特質(人口等)」が24%(同26%)の順となった。

対日信頼度は、一般国民が84%(昨年79%)、有識者が90%(昨年90%)と昨年同様高いポイントを獲得した。

また、日本が世界経済に対して重要な役割を果たしているかと質問したところ、「果たしている」と答えた人は一般国民が50%(昨年52%)、有識者が58%(同65%)、「かなり重要な役割を果たしている」は一般国民が42%(同40%)、有識者が38%(同33%)となった。

有識者に対して、日米間で経済関係をより深化するために,日本が特に進めるべきと考える政策を聞くと、最も多かったのは「クリーンエネルギーや高速鉄道などの技術協力などの促進」で88%(昨年89%)。以下、「日米間のFTAの締結」が86%(同83%)、「TPPへの参加」が同ポイントの86%(同81%)と続いた。

日米安保条約について、「維持すべき」と答えた人は一般国民で89%(昨年92%)、有識者で93%(同91%)。また、日米安保条約は日本および極東の平和と安定へ「非常に貢献している」「やや貢献している」との回答は、一般国民で83%(同85%)、有識者で89%(同90%)、日米安保条約は米国自身の安全保障にとって「極めて重要である」「ある程度重要である」と答えた割合は、一般国民で90%(同89%)、有識者で86%(同90%)だった。

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