IDCの調査によると、ナレッジワーカーの勤務時間の15~30%が情報収集に費やされているという。そのうえ、情報収集の50%は目的の情報が得られず、徒労に終わっているようだ。
読者の皆さんにおいても、「資料の在り処がわからない」、「誰に聞いたら良いのかわからない」といった経験を日常的に繰り返している方は少なくないだろう。そこで試していただきたいのが、サクセスファクターズジャパンが提供する社内SNS「Jam」である。
SaaSでトップクラスの実績
まずは提供元のサクセスファクターズジャパンについて、ご紹介しておこう。
サクセスファクターズジャパンは、米カリフォルニア州サンマテオに本社を構えるSuccessfactorsの日本法人。Successfactorsは2001年に設立された企業で、従業員のタレントマネジメント(目標/評価や能力把握など)を実現するSaaS「SuccessFactors Business Execution スイート」で広く知られている。同サービスは、グローバルで3500社、1500万人のユーザーを抱え、企業向けSaaSの提供企業としてトップクラスの実績を誇る。
SuccessFactorsに対する評価は、昨年12月にSAPによって買収されたことからもうかがえる。買収金額は34億ドル。今年2月に買収作業が完了し、すでにSAP傘下の企業となっているが、現在も独立して事業を展開している。
そういった背景を持つサクセスファクターズジャパンが提供する社内SNSが、冒頭のJamになる。
メールの不便さに気付け!!
では、Jamとは一体どういったサービスになるのか。
サクセスファクターズジャパン 取締役社長の木下雄介氏によると、Jamは、同社が買収したCubeTreeがベースになっている。そこに、同じく同社が買収したJambokの技術を融合。CubeTreeの持つSNSライクなコミュニケーション円滑化機能に、Jambokが備えていた動画によるEラーニング機能が統合されている。現在はiOS、Android、Blackberryに対応したアプリケーションも無償提供されており、モバイルからでも利用が可能だ。
Jamの中心にあるのは、各ユーザーに必要な情報がタイムライン形式で表示されるSNS機能である。サクセスファクターズジャパン 営業本部 第二営業部 部長の森太郎氏はその意義について、次のように語る。
サクセスファクターズ 営業本部 第二営業部 部長 森太郎氏 |
「現在、多くの企業ではメールでコミュニケーションをとりながら仕事をしている。しかし、よくよく振り返ってみると、メールは欲しい情報を探すのに時間がかかるし、途中参加のプロジェクトメンバーと情報を共有するのも大変。ときには重たい添付ファイルが多数に一斉配信されることもあったりと、とても効率的とは言えない仕事環境になっている。これが、SNSのようにサーバ側にデータが集約され、各ユーザーの必要とする情報が見やすいかたちで確認できるようになっていれば、業務は大きく改善されるはず」
こうしたコンセプトに基づき開発されたJamでは、SNSのようなインタフェースによって、過去のやりとりもふまえながら関係者からの連絡を確認できるほか、複数人でリアルタイムにディスカッションすることも可能だ。さらに、ドキュメントや写真のアップロード・ダウンロードはもちろん、動画を掲載する機能も提供されている。
また、企業向けの機能として特徴的なのがグループ管理機能だ。任意のグループを作成して、参加者のみが投稿を閲覧できるクローズドなコミュニケーションが行えるうえ、グループの中に小グループを作り、部分的に非公開にすることも可能。さらにグループ自体を非公開に設定すれば、部外者が参加メンバーを知ることもできなくなる。グループの投稿があった際にメールで通知ができるうえ、配信タイミングも、即時、日次、週次などと自由に設定することもできる。