ビザ・ワールドワイドは、日米在住の大学生657名(日本312名、米国345名)に対して、金融教育および金融分野に関する情報や知識に関する意識や実態について調査を実施した。
この調査は、ビザからの委託により調査会社であるシタシオンジャパンが3月に実施したもの。
まず、小・中・高等学校のいずれかで金融教育を受けた経験があると回答した大学生は、日本の大学生が39.7%だったのに対し、米国では72.2%。約2倍の差があった。また、金融教育経験者に対し、金融教育は役立っているかを聞いたところ、役立っている(「役立っている」、「少しは役立っている」)との回答は、日本は34.6%、米国は69.4%で、満足度も米国の半分だった。
さらに「生活に対する計画を立てること、その予算や貯蓄に関する知識や情報に関し、あなたの考え方に近いものは?」という質問に対し、日本の学生は「情報をどのように入手していいかわからない(38.1%)」、「考えるには早すぎる(21.5%)」、「難しいので、考えないようにしている(13.1%)」、「知らなくても生活していけるので調べていない(8.0%)」と回答。一方、アメリカの学生は「個人に関する金融の情報は自分なりに収集している」と5割強が回答していた。アメリカの学生と比べ、自分の生活設計のための行動を起こしていない日本の学生の姿が浮き彫りとなった。
また、日本の学生は、約9割が収入は把握していると回答しているものの、支出の把握は約7割で1カ月の収支管理が甘い傾向にあることがわかった。一方、米国の学生は、約6割が収支ともに把握していると回答。貯金については、日本では83.0%、アメリカでは79.7%の学生が行っていると回答した。
さらに日本の学生は、米国の学生と比べると、短・中・長期のプランニングいずれの場合も必要金額を把握していないこともわかった。金融リテラシー(※)に対する意識が、日米の大学生において大きな差があり、日本の大学生の生活設計力の欠如が明らかとなった。
※プランニング(Planning・必要な資金の計画を立てる)、バジェッティング(Budgeting・必要な資金を予算組みする)、セービング(Saving・必要な資金を得るための方法)の3つの要素、「PBS(プランニング・バジェッティング・セービング)」から構成される重要な知識のこと。
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