全国12館で5月19日より上映がスタートした『機動戦士ガンダムUC episode 5 黒いユニコーン』初日舞台あいさつがこのほど、東京・新宿ピカデリーにて行われた。
スクリーン前に登場したのは古橋一浩監督、ストーリー担当の福井晴敏、バナージ・リンクス役の内山昂輝、リディ・マーセナス役の浪川大輔、マリーダ・クルス役の甲斐田裕子の5人。浪川が進行役となり、あいさつとトークが始まった。
前回の舞台あいさつで 「episode4」が最高傑作と語った浪川は、「また最高傑作ができました」と前作越えを宣言。上映を見終えた直後の客席からも大きな拍手が起こった。内山は前回のラストで、モビルアーマー・シャンブロを駆るロニとの壮絶な場面でピリオドを迎え、主人公・バナージの気持ちがしおれきった状態から始まって、再び自分の意志でユニコーンガンダムに乗るまでの流れへの思い入れを語る。特に「バナージとブライトの会話は時間をかけて録りました」とアピール。この部分は関係者の間でも非常に評価が高かったそうだ。また、内山が「ガンダムに乗っちゃうと声を張りっぱなしにしないといけないので」とMS戦とは違う落ち着いた会話の良さを推すと、浪川が「内山君が自然とガンダムに乗っちゃうと、って言ってるのがいいですね」と笑いを誘った。
マリーダ役の甲斐田は今回、強化人間として再調整されて激しい感情の流れを表現することもあり、「すごく気合を入れて収録に臨んだ」という。強化人間特有の難しさ、恐ろしさを表現するにあたり、福井は、再調整されたマリーダは「ロボットのような感じで考えていたが、抑揚がありつつ、ちゃんと受け答えをする方が恐いかなと思ってやり直した」と収録現場でのエピソードを披露。急な変更でもちゃんと切り替えて演じてみせた甲斐田を「さすがプロ!」と絶賛した。
進行役の浪川はリディについて「今回はすごい」と前置きした上で、「前回はまだ馬がいたからよかったけど、今回はバナージとオードリーが……俺、何なの!?」と場内を笑わせる。後半のリディの"ある"行動について「リディの気持ち、すごく分かります!」と熱弁を振るうと、福井が「あの場面は絵コンテの段階で追加した」と逸話を打ち明け、「近年のアニメでは珍しい、美形が白目をむくというね」と型破りな演出を語った。
古橋監督は、「苦労したところは?」という問いに、「大変だったのはスタッフ。(自分は)4話で出し切ったので、5話はその余波で」と飄々と答え、6話のプレッシャーもありますね、と聞かれてると「はい」と笑顔で一言。そして全6話の予定だったのが7話目が制作されることになった件について、福井は「いい終わり方を見つけたと思ったら、もう一本作ることになったと。増やしてよかったという感じになるといいですね」と古橋監督に振るも、監督はまたも「はい」と一言。饒舌な福井、静かなる古橋といったやりとりが場内を笑わせた。
最後に浪川は「ゴールが見えてきたなという感触と、個人的にはリディがどうなっていくのか楽しみ」と手応えと期待感を表明。甲斐田は「(終わりは)さみしいな」と現場のいい関係を語り、「チームワークの良さで7話に向かっていきたい」と意気込みを語ると、古橋監督が「早くさみしくなりたいなと(笑)」ずっと隠してきたと思われる心情をポロリ。しかし「体力が続く限りがんばります」と決意もみせた。主役を張る内山は「episode 1を録った時は10代だったので、(それを考えると)長いなと。バナージが大人にいろいろなことを教えられて成長したように、自分も同じく成長しないと」とバナージと自分自身が重なる部分を話し、クライマックスへ向けてさらなる進化を宣言した。
締めとして福井は「episode7はみなさんのご支援がなければ実現しなかった。みなさんの投資が反映されているので、引き続き、投資の方をよろしくお願いします(笑)」と冗談半分、本音半分の言葉を客席に送り、場内はゆるやかな笑いに包まれて終了となった。
筆者がいち早く見た『機動戦士ガンダムUC episode 5 黒いユニコーン』のレビューはこちらから。
(C)創通・サンライズ
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