リサーチ・アンド・ディベロプメントは10日、首都圏の一般生活者を対象とした「家族の思いやり消費」に関する調査結果を発表した。

同調査は、同社が1982年から毎年実施している「生活者総合ライフスタイル調査CORE(Concept Research)」の一環として行われたもの。調査期間は3月8日~29日で、郵送にて実施し、18歳~74歳の男女2,071名から有効回答を得た。

それによると、独立して生計を立てている子供がいる親のうち、「最近3年以内に、独立した子供や孫のために購入したり資金援助や肩代わりをした」と答えた人は70.5%に上った。回答者の性・年齢別に見ると、「65~69歳の男性」が84.8%、「70~74歳の男性」が83.7%となり、特に60代後半以上の高齢の男性で高い割合となっていることが分かった。

続いて、最近3年間に親が独立した子供や孫のために行った支出の合計金額を尋ねると、平均金額は「162万7,000円」となった。金額分布を見た場合、最も多かったのは「100万円~300万円未満」で26.2%。次いで、「20万円~50万円未満」が17.6%、「10万円~20万円未満」が15.0%、「50万円~100万円未満」が13.5%、「500万円以上」が9.8%、「10万円未満」が8.7%との順となった。

親から子ども・孫への支出金額(3年間の合計)

支出内容については、「孫の小遣いやプレゼント」が最も多く66.6%。以下、「子どもの結婚資金」が26.2%、「子どもの生活費の援助」が25.9%、「クルマや家電製品など高額なものの購入」が20.2%、「孫の教育関連の費用」が19.3%と続いた。

一方、自分または配偶者に親がいる人のうち、「最近3年間に親のために購入したり資金援助や肩代わりをした」と答えた人は48.0%で過半数を下回った。詳細を見ると、女性は51.7%、男性は44.4%と、男性より女性の方が親のために支出をした人が多く、その中でも特に「独り暮らしの未婚女性」が67.7%と高くなっているのが目立つ。

親のために何らかの支出をした人について、3年間での支出の合計金額を聞くと、平均金額は「34万6,000円」。金額分布は、「3万円未満」が最多で20%、次いで、「3~5万円未満」が15.4%、「5~10万円未満」が17.9%で、これらを合わせると「10万円未満」が53.3%との結果となった。

支出内容を見ると、最も多かったのは「親の趣味・娯楽のための商品・サービス」で46.5%、以下、「海外旅行や国内旅行」が16.8%、「親が使う携帯電話の購入」が14.7%、「親が使う地デジテレビやアンテナの設置」が13.7%、「ラジオやCDプレーヤーの購入」が10.5%と続いた。

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