東芝は10日、4K表示対応の液晶テレビ「REGZA(レグザ)55XS5」を発表した。発売は6月下旬で、価格はオープン。推定市場価格は75万円前後となっている。

「レグザ55XS5」

現行のテレビやBDではフルHD(1,920×1,080ドット)表示が主流だが、このレグザ55XS5はその4倍の表示画素数を誇る4K2K(3,840×2,160ドット=約829万ドット)表示対応の液晶パネルを搭載する。

フルHDパネルの4倍の表示画素数の4K2Kパネルを採用

加えて本製品では、東芝独自の高画質映像処理システム「レグザエンジンCEVO Duo」を搭載することで、「4K2K超解像技術」も利用可能となっている。この技術は、複数の超解像技術を用いることで、現行のデジタル放送やブルーレイディスク(BD)といったフルHDの映像ソースをさらに高精細な4K2K画質まで引き上げることを可能にしたもの。また、画素ごとに色情報を抽出・解析することで、超解像技術を最適な状態で制御。高彩度のカラーテクスチャー復元も実現している。これらにより、4K2Kパネルの表示性能を最大限まで引き出すことに成功した。

画素ごとの色情報に超解像処理を適用する

液晶パネルには透明感があり、映像本来の色彩をダイレクトに再現するクリアパネルを採用。さらに、広範囲の調整が可能なLEDバックライトを搭載することで、引き締まった黒色からクリアな白色まで幅広いダイナミックレンジの映像表示を実現している。

バックライトは「アクティブスキャン240」に対応しており、前後の映像フレームから動きを高精度に予測。元映像のフレーム間を補間する映像を挿入して毎秒120コマ表示を行うとともに、バックライトの制御を行うことで、残像を大幅に低減した毎秒240コマ相当の映像表示が可能となっている。

そのほかの機能としては、USB接続の外付けHDDへの録画に対応。地上デジタルチューナーを3基搭載しているので、1番組を視聴しながら2番組を同時録画することも可能だ。また、USBハブを利用することで、最大4台の外付けHDDを同時接続することができる。

長時間録画にも対応しており、デジタル放送の標準画質(地上デジタル:約17Mbps、BSデジタル:約24Mbps)以外に約12Mbps・8Mbps・6Mbpsでの録画も可能となっている。

また、LAN接続された「レグザタブレット」や「レグザブルーレイ」などと接続して、録画番組を共有できる「レグザリンク・シェア」機能も搭載。DTCP-IP対応のコンテンツサーバー機能も備えているので、レグザ 55XS5で外付けHDDに録画したテレビ番組を、他の「レグザ」シリーズ製品へ配信することもできる。

なお、本製品は3月に発表されたQFHD(クアッドフルHD)映像入力アダプター「THD-MBA1」の接続にも対応。THD-MBA1に接続したパソコンや4K2K撮影対応のビデオカメラから、4K2K映像をそのままの解像度で表示させることが可能となっている。

主な仕様は、チューナーが地上デジタル×3基・BS/110度CSデジタル×2基で、液晶パネルのコントラストが5000:1、視野角が上下・左右ともに178度、搭載スピーカーの実用最大出力が10W×2+10W(2.1ch)となっている。映像インタフェースにHDMI入力×4系統、D5入力×1系統、ビデオ入力×2系統を備えるほか、QFHD映像入力アダプター用拡張端子×1系統、USBポート×2基、LANポート×1基、SD/SDHC/SDXCカードスロットを搭載。消費電力は268W(待機時0.14W)、年間消費電力量は253kWh/年だ。

本体サイズはW125.3×D35.7×H83.2cm(卓上スタンド含む)、重量は27.5kgとなっている。

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