NECは8日、同社の個人向けPC「VALUESTAR」「LaVie」の2012年夏モデルを発表。同日都内で報道関係者向けに発表会を開催し、新製品の紹介が行われたほか、同社がこれから注力していく分野やサービスなど、2012年度の方針について説明した。
冒頭、挨拶に立ったNECパーソナルコンピュータ 代表取締役社長 高塚栄氏は、「個室の中でさまざまな情報にアクセスする端末として、処理能力とソフトウェアや周辺機器との連携が行いやすいPCこそが、今後の情報端末の本命」とプライベートル情報端末としてのPCの重要性を語る。
同社が従来注力してきた「安心・簡単・快適」といったキーワードを守りつつ、2012年度は「新たなステージ」だとして、「プライベートルームTVのスマート化」や「イノベーティブでワクワクする新商品の投入」を方針として掲げた。
特にテレビ機能については、「以前からPCにテレビ機能を搭載してきたが、今回の製品は非常に高性能の録画機能や再生機能を備えている。単純なテレビとしての到達点には達しているのではないか」と高塚氏は自信を見せる。そのうえで今後は「PCのインテリジェンスでテレビを再定義していきたい」(高塚氏)とした。
新商品の投入としては、今年度のPC業界の大きなトピックとして、Ultrabookやタブレット、Windows 8を挙げ、こうした分野で驚きを与えるような商品を出していくという。Ultrabookについて高塚氏は、質疑応答の際に現在開発中であることを明かし、「適切な時期にきちんとした形で発表したい」と話した。
3つの「トレンド」を踏まえた新モデル
同社の2012年夏モデルは、「セカンドテレビ需要」「スマホ/タブレット連携」「節電」といった3つのトレンドを踏まえ、機能の強化が行われている。
「VALUESTAR W」シリーズでは、電源オフの状態から約2秒でテレビが起動する「ぱっと観テレビ」を搭載。ワンボタンで地上デジタル放送やBS/100度CSハイビジョン放送が視聴できる。「ぱっと観テレビ」には視聴専用のチューナーが用意されており、ダブル録画中でも別の番組を視聴可能となっている。
テレビ用のソフトウェア「SmartVision」が強化され、テレビ機能が搭載されたモデルでは、録画した番組をスマートフォンやタブレットでも視聴が行える。ビットレートが高い動画でも、Intel Coreプロセッサ搭載モデルの場合はトランスコード配信が可能。
テレビ機能非対応モデルには、DTCP-IP対応DLNAプレイヤー「SmartVision/PLAYER」がインストールされており、「SmartVision」搭載PCの空いたチューナーをつかって、チューナーがないPCでもテレビのライブ視聴ができる。ライブ視聴配信は同時に1台まで、ダブルチューナー搭載機のチューナーが2つともあいていても、2台同時にライフ視聴はできない。
スマートフォン/タブレットとPCの連携は、録画番組の配信のほかに、録画番組をワイヤレスで自動で転送する「外でもVIDEOワイヤレス」や、スマートフォンに保存されている写真にPC側からアクセスする「ムービーフォトメニュー」がある。
節電については、従来から搭載されているECOモードを強化。電力会社が提供しているでんき予報実績と連動して、電力需要に合わせて自動でECOモードに切り替わるほか、ピークシフト機能も従来は主導でピークシフトを行う時間を設定していたが、でんき予報のデータを基にピーク時間帯に、AC駆動からバッテリ駆動に自動で切り替わる。
「LaVie L」や「LaVie S」シリーズでは、バッテリ駆動時間が大幅に向上し、ピークシフト中にバッテリ切れとなる恐れを低減している。
今回発表された製品は5月10日より、順次販売を開始する。