2011年秋にTVアニメで1stシーズンが放送され、2012年4月から待望の2ndシーズンがスタートした『Fate/Zero(フェイト/ゼロ)』。放送開始早々から壮絶なバトルが描かれ、物語はますますヒートアップしている。独特の世界観を持つ作品だけに専門用語が盛りだくさんだが、基礎知識さえおさえれば理解できたときの面白さもひとしお! そこで、2ndシーズンをより楽しむ上で押さえておきたい用語をまとめてみた。
[初級編]
まずはストーリーの前提となる基礎知識から。これだけは頭に入れておこう!
■聖杯戦争(せいはいせんそう)
手に入れた者の願いをかなえるという「聖杯」を巡るバトルロイヤル形式の戦い。60年に一度、日本の冬木(ふゆき)市を舞台に行われる。『Fate/Zero』は4回目の聖杯戦争が描かれた物語だ。戦いは「マスター」と「サーヴァント」がペアになり、全7陣営で争うというもの。勝利条件はほかのサーヴァントをすべて倒すこと。最後まで生き残った陣営には聖杯が与えられるというが……!?
■マスターとサーヴァント
マスターは聖杯に選ばれた、聖杯戦争への参加資格を持つ魔術師。サーヴァント(英霊)を召喚してほかの陣営と戦う。「英霊」とは、あらゆる時代の偉人や神話の英雄のことで、セイバー(剣の騎士)、アーチャー(弓の騎士)、ランサー(槍の騎士)、ライダー(騎乗兵)、キャスター(魔術師)、バーサーカー(狂戦士)、アサシン(暗殺者)の7つのクラス(器)に分かれている。基本的にサーヴァントはマスターの命令に従い戦うが、そうではない場合も……。なおサーヴァントたちは過去の偉人ではあるが、召喚される際に聖杯から現代の基礎的な情報や聖杯戦争に関する知識を与えられているため、すぐに自分の状況を把握し現代の生活になじむことができる。もちろん日本語も達者だ。
■令呪(れいじゅ)
マスターの手の甲に現れる、聖杯戦争への参加資格を証明する文様。令呪の力を使うと、サーヴァントに3回だけ強制命令を行うことができる。どう使うかはマスター次第! また、令呪は陣営ごとに異なるデザインになっているので、注目してみよう!
[上級編]
サーヴァントは「宝具(ほうぐ)」と呼ばれる強力な武器や能力を使って戦う。息を飲むほどカッコイイ宝具使用シーンは必見! ここからは7人のサーヴァントたちの宝具の一部を紹介しよう。
■約束された勝利の剣(エクスカリバー)
セイバー(アーサー・ペンドラゴン)の宝具。強力な力を持った聖剣で、セイバーの切り札。普段は風王結界(インビジブル・エア)という風の結界で包まれていて目に見えない。これによって、相手に武器の間合いを測らせないというアドバンテージを得られる。
■王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)
ライダー(イスカンダル)の宝具。生前、ともに戦った伝説の勇者たちで、固有結界内に召喚される。彼らは英霊になってもなお征服王イスカンダルに仕えており、数万の軍勢で敵を圧倒する。
■必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)/ 破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)
「必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)」は、生前、ケルト神話の騎士として活躍したランサー(ディルムッド・オディナ)の宝具で、左手に持つ黄色い短槍。再生不可能な傷を負わせることができる呪いの槍であり、セイバーの手に傷をつけた。この呪いを解くために、ランサーは「ゲイ・ボウ」を破壊した。右手の赤い長槍は「破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ) 」。刃が触れた対象の魔力効果を打ち消すため、セイバーの風王結界を削った。
■王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)
アーチャー(ギルガメッシュ)の宝具。バビロニアの宝物庫につながっている。この中から剣を1本出して使うことも、複数の武器を一斉に飛ばすこともできるという便利な一品。しかし宝物庫の中身は持ち主の財力によって変わってくる。つまり贅(ぜい)を極めたギルガメッシュが使うからこそ脅威になるのだ。さすが英雄王!
■螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)
キャスター(ジル・ド・レェ)が持つ人間の皮でできた魔導書。ジル・ド・レェは英仏百年戦争のフランス軍元帥を務めた騎士で、本来は魔術師としての能力はない。しかし、この宝具を使うことで深海の海魔を召喚できる。
■妄想幻像(ザバーニーヤ)
生前は暗殺教団の指導者で、多重人格障害を持っていたアサシン(ハサン・ザッバーハ)ならではの宝具。自分の精神を分割して複数のサーヴァントとして実現化できる。「全て」のアサシンを集めてライダーに挑んだが、「王の軍勢」によって蹂躙(じゅうりん)され、最初の脱落者になってしまった。
■騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)
バーサーカーの宝具で、手にした物なら鉄パイプでも戦闘機でも、なんでも自分の宝具にできる能力。武器を射出して戦うアーチャーにとって天敵といえる。
[番外編]
その他、よく出てくる単語や印象深いセリフ、キーワードをピックアップしてみた。
■クルミの冬芽(ふゆめ)
セイバーのマスター、衛宮切嗣(えみやきりつぐ)が娘のイリヤと探していたもの。ふだん冷徹なイメージの切嗣が、ほほ笑ましい父娘の姿をうかがわせる貴重なシーンである。
■これは決闘ではなく誅伐(ちゅうばつ)だ!
ランサーのマスター、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトがアインツベルン城に乗り込んだ際、切嗣から地雷の歓迎を受けて発した名ゼリフ。
■黒子(ほくろ)
ランサーの右目の下にあり、女性を魅了してしまう呪いがかけられている。前世では主君の婚約者を魅了して恋に落ち、結果、主君に見殺しにされた過去を持つ。現代ではマスターであるケイネスの許婚(いいなずけ)・ソラウに好かれてしまい、ケイネスより疑心を持たれてしまう。
■常に余裕をもって優雅たれ
アーチャーのマスター、遠坂時臣(とおさかときおみ)が娘の凛(りん)に対して教えた家訓。確かに時臣はどんなときもエレガントな振る舞いだ。
■雑種(ざっしゅ)
アーチャーが他者に対して使う呼び名。唯一無二の英雄王から見たら、自分以外の生き物など雑種にすぎないらしい。アーチャーにだったら、呼ばれてみたいかも!?
■愉悦(ゆえつ)
心から喜び、楽しむこと。言峰綺礼(ことみねきれい)は聖杯戦争にかける願いがなく、興味もない。そんな綺礼に対してアーチャーが「理想もなく、悲願もない。ならば愉悦を望めばいいだけではないか」と言い放った。以後、綺礼は自分にとっての「愉悦」とは何なのかを探すことになる。アーチャーがその言葉で綺礼を翻弄(ほんろう)するもの「愉悦」なのかも?
■青髭(あおひげ)
キャスターがマスターの雨生龍之介(うりゅうりゅうのすけ)に対して名乗った名前。小児を大量虐殺したジル・ド・レェの刑死後、人々が彼を「青髭」と呼んだことによる。龍之介は親しみを込めて「青髭の旦那」または「旦那」と呼んでいる。
■COOL(クール)
龍之介がもっともヒートアップしたときに使う言葉。龍之介の宗教観に啓示を受けたキャスターは「最高のCOOLをご覧に入れましょう!!」と、巨大な海魔を召喚し、冬木市に最大の災厄をもたらす。
■アドミラブル大戦略Ⅵ
ライダーのお気に入りのゲームソフト。第7話では通信販売でロゴTシャツを勝手に買って、ウェイバーに怒られる。第13話では初回限定版のソフトとゲーム機本体を購入。古代の王は現代を楽しんでいる様子。
■デコピン
ライダーがマスターのウェイバーの意見を一蹴するときに使った技。ウェイバーが軽く吹き飛ぶほどの威力がある。
まだまだ用語は数多く存在する。『Fate/Zero』アニメ公式サイトにも「用語解説集」が掲載されているので、興味を持った人はさらに掘り下げて研究してみては!? ストーリーの捉え方や登場人物の印象が180度変わるかも! 知れば知るほど面白くなる『Fate/Zero』……う~ん、奥が深い!!
文●サンプラント
2012年4月より、TOKYO MX・MBS他にてセカンドシーズン放送中
公式HP http://www.fate-zero.jp/
画像は(C)Nitroplus/TYPE-MOON・ufotable・FZPC
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