カナダのResearch In Motion (RIM)は5月1日 (米国時間)、米オーランドで開催中のBlackBerry Worldカンファレンスにおいて次期プラットフォーム「BlackBerry 10」の構想を説明し、ネイティブアプリおよびHTML5アプリを開発するためのツールキットのベータ版をリリースした。
BlackBerry 10は、すでに7700万人以上に使われているBlackBerryの本質的価値と利用体験を引き継いだプラットフォームになるという。例えば、BlackBerry端末ユーザーは小さなデバイスでもタイピングしやすく、すばやくコミュニケーションできることを好んでいる。BlackBerry Worldの基調講演では、ユーザーの入力傾向を学習し、効果的に変換候補を提示する新しいソフトウエアキーボードのデモが披露された。
また、BlackBerryのネイティブ機能やBBMのようなアプリと連係し、新プラットフォームの機能や特長を活かしたアプリを開発できるように、手厚くアプリ開発者をサポートする。例えば、RIMは今回BlackBerry 10 Jam参加者に「BlackBerry 10 Dev Alpha」というプロトタイプデバイスを配布した。4.2インチのタッチスクリーンを備えたスマートフォンで、HDMIポート、Micro USBポート、Bluetooth機能、Wi-Fi機能などを備える。搭載するOSはBlackBerry 10の最終版ではないが、アプリのインターフェイスや操作性などを実際のハードウエアで確認することが可能。これはプラットフォームの最終版がリリースされる前の段階でテスト用のハードウエアを提供して欲しいという開発者からの要望に応えたものだ。
開発ツールキットは「BlackBerry 10 Native SDK with Cascades」と「BlackBerry 10 WebWorks SDK」で構成される。Native SDKは、リッチなAPIセットを備え、Qtを用いてC/C++で美しく高性能なネイティブアプリを作成できる。CascadesはRIM独自のユーザーインターフェイス(UI)フレームワークで、これによりボタン、フィールド、テキストエリアなどあらゆるUI要素を容易にアプリへ追加できる。一方WebWorks SDKは、HTML5技術やCSSを用いたリッチなアプリの構築をサポートする。これらBlackBerry 10ツールで作成されたアプリはBlackBerry 10スマートフォンだけではなく、PlayBook用の新プラットフォーム登場後のBlackBerry PlayBookタブレットにも対応する。