俳優の役所広司、女優の宮崎あおいらが28日、東京・丸の内ピカデリーで行われた、映画『わが母の記』の初日舞台あいさつに出席した。
左から、原田眞人監督、ミムラ、宮崎あおい、役所広司、樹木希林、南果歩、菊池亜希子 拡大画像を見る |
舞台あいさつには、役所、宮崎のほか、キャストの樹木希林、南果歩、ミムラ、菊池亜希子と原田眞人監督が出席し、役所は「何も汚染されていない頃の日本を描いているので、若い人にも是非観てほしい」とPR。「希林さんをはじめ、女優さんに囲まれた華やかな現場でした」と撮影を振り返った役所は、この日、紫綬褒章の受章が発表されたばかり。女優陣から祝福の花束を渡され、「これまで一緒に仕事をしてきたキャストやスタッフのおかげだと思ってます。本当にありがとう」と喜びを語ると、観客から大きな拍手が贈られた。
宮崎は、映画『ユリイカ』以来12年ぶりの役所との共演に、「大人になってまたご一緒できました。役所さんといるとほっとします」とニッコリ。また、初共演の樹木について「樹木さんを真近で見て本当に勉強になった。緊張したけど楽しかった」と話すと、南も「希林さんは、圧迫感とか集中力とか関係なくスッと役に入られるんです。いつスイッチが入ったのか分からなかった。一生付いていこうと思います」と尊敬の眼差し。樹木は「私じゃなくて、(夫の)渡辺謙さんに付いていって!」と突っ込み、観客の笑いを誘っていた。
映画『わが母の記』は、第35回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞した、井上靖の自伝的小説が原作の"親子の絆と愛"を描いた作品。作家の伊上洪作(役所)は、琴子(宮崎)ら3人の娘たちとぶつかり合いながらも賑やかな家庭を営んでいたが、ある日、洪作の父が亡くなったことで次第に母・八重(樹木希林)の記憶が無くなり始める。幼少期に両親から離れて育ち、母に捨てられたと思い込んでいる洪作は、やがて母の伝えられなかった想いを知る――というストーリーで、映画は全国公開中。