4月26日、ドワンゴは、「ニコニコ動画」の新サービス先行記者発表会を六本木の二コファーレにて開催した。本イベントは、開設5周年を迎え変化する「ニコニコ動画」"Zero"の今後の展望や、新たに始まる新サービスについて、さらに、4月28日・29日に千葉・幕張メッセの国際展示場で開催される巨大フェス「ニコニコ超会議」を開催する意図についても発表された。

メインプレゼンターは、ドワンゴ取締役の夏野剛氏

ドワンゴ取締役会長の川上量生氏も登壇

このほか、マラソン選手・藤原新氏のニコニコ超会議での取り組みについてや、「ニコニコ超会議」にて放映される、中川翔子主演映画の「マギカ調べ」の先行試写会も行われるという、盛りだくさんの内容だったが、数ある発表の中でも、とくに注目したい大きなトピックをレポートしていこう。

藤原新選手の活動費を2万人が寄附!

まず、注目のトピックスとして紹介されたのが、ロンドンオリンピックに出場するマラソン選手・藤原新氏の活動費をみんなで寄附しようという企画。ニコニコ動画で、「藤原氏のためにスポンサーとして500円を使ってもいい」という人を集ったら、2万人がすぐに集まったという。

これは、一つのきっかけであり、アーティストを含めた様々な人を応援するソーシャルファンディングやクラウドファンディングのプラットフォームにニコニコ動画がなっていく可能性を秘めているため、今後、強化していきたいという。さらに、藤原選手から感謝の気持ちを込めて、幕張メッセの「ニコニコ超パーティー」に走ってくるという企画も発表された。万が一、歩いてしまった場合や電車に乗った場合も、そのまま放送される。

藤原新選手が、幕張メッセの「ニコニコ超パーティー」会場まで走ってくる目玉企画もある

「ニコニコ動画 Zero」にバージョンアップ

ニコニコ動画は現在、20代の75%、つまり20代の4人に3人がニコニコ動画のユーザーであり、10代後半~30代の中では圧倒的なメディアになっている。これまで、10回バージョンアップをしているが、今回は「限定回帰」をテーマに、デザインを一新。「ニコニコ動画(原宿)」から、「ニコニコ動画Zero」にバージョンアップすることが発表された。ロゴが変わってトップページがグッと今風になったほか、視聴動画がより大きく、動画切り替えが高速になり、タグがリアルタイムで変更できる、動画を見ながら動画を探せる、リアルタイムにニコ生コメントが出現するなどの機能もバージョンアップ。今話題の生放送がわかる「新ランキング」もでき、ランキングは一分間ごとに更新され、生放送がランクインすると視聴ページにリアルタイムで通知されるなどの楽しい機能も、盛りだくさんだ。

「ニコニコ動画Zero」の新しいロゴ。グッと今風に一新した

生放送が「新ランキング」にランクインすると、リアルタイムに通知される

外でも音楽が楽しめる「二コサウンド」 動画から音楽をダウンロードできる

ブームの予感!皆でニコニコできる新機能「ニコる」

さらに、新機能の一つとして発表されたのが「ニコる」機能。「センスあるコメントが来た!」「おしゃれなタグだ!」といったちょっとした発見をしたときに、「ニコる」マークをクリックするというもの。フェイスブックの「イイね!」ボタンを視覚的にやってしまおうという試みで、かなり流行るのではと期待しているのは川上会長だ。「ニコる」ボタンを押すと、笑顔のニコちゃんマークが出てくるが、クリックして横になると、「ニコる」という文字になる。これは生理的に快感があり、ドワンゴ社内でも好評だという。さらに、"ニコった"履歴は残るようになっていて、「この動画は何ニコあった」「誰がニコった」などがわかるようになるという。

ニコったことがみんなに伝わり、みんなで笑顔に!

センスあるコメント、おしゃれなタグ、面白い動画などはもっと評されるべき!

ニコれる要素は5つ。コメント、タグ、ニコレポ、動画、市場商品だ

「ニコる」ボタンは生理的な快感が!? 鳥肌に注意 

投稿された音楽をみんなで聞けるNsen

ニコニコ動画に投稿された音楽をみんなで聴きましょう、という新サービスがNsen。ちょっとロゴを変えると、あるラジオ局を彷彿させるネーミングだが、リクエストコーナーなどもあり、ラジオのような放送をインターネットでやってしまおうという試み。音楽をかける代わりにNsenをつけて楽しんだり、そこへ出てきた動画に流れてみたりという、"ながら機能"ということも想定されている。

いよいよ「ニコ動」がテレビにも対応!

さらに、YouTubeのように、ニコニコ動画もテレビに対応してほしいというニーズに応えて、テレビにも対応することが発表された。まずは、ソニーのブラビアと、パナソニックのビエラが対応。ビエラは生放送にも対応するという。すでに開発が進んでいて、28・29日に開催される「ニコニコ超会議」のドワンゴのブースに展示されるそうなので、興味がある人は必見だ。

最後に、「ニコニコ超会議」では、ジャーナリストの津田大介氏司会のもと、ドワンゴの川上会長、JASRAC菅田瑞夫氏の3人が「音楽著作権の未来」について語り合うイベントも発表された。「ニコニコ動画 : Zero」の新機能の1つである「NicoSound」(音楽ダウンロード)や、違法ダウンロードの刑事罰化への動き、クラウド型の音楽サービスの登場など、今、「音楽」を取り巻く環境は大きく変化しているが、音楽と著作権のこれからについて、三者が語り合うというものだ。28日の11時~11時40分、幕張メッセ 国際展示場「ニコニコ言語コロシアム」内にて行われるので、こちらも要チェックだ。