A.T. カーニーとシカゴ国際問題評議会はこのほど、共同調査「グローバル・シティ・インデックス(グローバル都市指標)2012」を実施し、世界の都市のグローバル度ランキングを発表した。

同調査は世界66都市について、「ビジネス活動」「人的資源」「情報流通」「文化的経験」「政治的関与」の5項目を総合的に評価し、ランキング化したもので、2年ごとに実施され、今回で3回目となる。

その結果、トップ2は前回(2010年)の調査に引き続き、1位が「ニューヨーク」、2位が「ロンドン」。以下、3位「パリ」(前回4位)、4位「東京」(同3位)、5位「香港」(同5位)、6位「ロサンゼルス」(同7位)、7位「シカゴ」(同6位)、8位「ソウル」(同10位)、9位「ブリュッセル」(同11位)、10位「ワシントンDC」(同13位)と続いた。なお、「大阪」は前回同様47位にとどまっている。

グローバル・シティ・インデックス2012 / 上位35都市

4位の東京について項目別に見ると、「ビジネス活動」は前回1位のニューヨークを抜き2位から1位にランクアップしたほか、「人的資源」も6位から5位に順位を上げた。しかし、「情報流通」は8位から14位、「政治的関与」も5位から9位にランクダウン。総合スコアについても、東日本大震災後のデータは含まれていないにも関わらず、上位10都市の中で東京だけが順位を下げ、「日本の世界への影響度低下が示唆された」(A.T. カーニー、シカゴ国際問題評議会)。

世界の地域別に見てみると、ドイツは20位に「ベルリン」、23位に「フランクフルト」、31位に「ミュンヘン」と、上位35都市に3都市がランクインし、昨今のドイツの成功を反映する結果となった。

アジアの都市に関しては、毎回トップ10に3都市(東京、香港、シンガポール、ソウルのうち3都市)がランクインし、安定した力を示している。

BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の都市については、共通の特徴として「ビジネス活動分野」が強いことが挙げられ、同社は「他の分野でもグローバル化が進めば、国際的な文化組織や政治機関が拠点を置くようになり順位も上昇するだろう」と分析している。

一方、新興国の都市の有望度ランキングでは、総合14位の「北京」が1位を獲得。次いで、2位「上海」(総合21位)、3位「台北」(同40位)、4位「重慶」(同66位)、5位「広州」(同65位」との順となった。

調査では、「上位の新興都市は、今後10年~20年以内に、現在の上位都市の強力なライバルになる可能性がある」と分析。さらに中国の各都市は、「経済発展、中間層増加、インフラ投資拡大を背景に存在感を高めている」とし、中でも「『北京』は医療制度の改善により順位上昇の可能性が最も高い」としている。

【関連リンク】

【レポート】世界を変える1日限りの特別講義「Digital Youth College」

TPP交渉参加で日本の自動車産業のメリットとは?

日本新興。我らビジネスマンにできること~日本総研 副理事長:高橋 進インタビュー~