米Appleが最新の無線LANユーティリティ(米国ではAirPort Utility、日本ではAirMacユーティリティ)でIPv6サポートを外したことが話題となっている。米Network Worldの4月13日(現地時間)の記事では、先週北米で開催されたIPv6の会合において、出席者からAppleへ批判の声が上がったことを紹介している。

AirPort/AirMacはAppleが提供する無線LANルータ製品群のシリーズ名。この動作を制御するMac向けの管理ツールがAirPort Utilityだ。Network Worldによれば、先週米コロラド州デンバーで開催された「2012 North American IPv6 Summit」という会合において、Appleが最新のAirPort Utility 6.0(2012年1月リリース、公開時のニュース記事)でIPv6サポートを外したことが出席者によって問題視されていたという。同バージョンの前バージョンにあたるAirPort Utility 5.6ではデフォルトでIPv6サポートが行われており、互換性対応が後退してしまったとの主張だ。

この結果、例えばCATV会社の米Comcastが提供する家庭向けのIPv6サービスにおいて、ユーザーにはAirPortの利用を限定条件付きでの推奨とし、基本的にはD-LinkやCisco、Netgearといったブランドの製品を利用することを推奨しているという。Comcastは4月末より2都市で、この家庭向けIPv6サービスを米国で初めて先行スタートさせるが、上記の理由によりAirPort製品の利用を推奨していない。もしユーザーがAirPortを利用したい場合、少なくとも6.0以前の5.6へダウングレードすることを求めている。

なお、AirPort Utility 5.6/AirMacユーティリティ 5.6は、バージョン6.0がリリースされた後もAppleのサポートWebサイトで入手可能。バージョン6.0ではIPv6のサポートが削除された以外にも古い世代のAirPort/AirMac製品では利用できないということもあり、そういった機器を利用する場合にもバージョン5.6の利用が必須となる。バージョン5.6とバージョン6.0は併存できるので、必要に応じてバージョンを使いわけるということも可能だ。