ニコ動ユーザーの支えで五輪へ - "アスニート"藤原新が「無収入選手の旗振り役に」

ニコニコ動画を運営するドワンゴは、無所属でありながらロンドン五輪マラソン代表に選出された藤原新選手を”今までにないまったく新しい形”でスポンサードすることを決定、16日に記者会見を開催した。

3月30日に藤原は自身の広報および営業活動、権利の管理などを行う「株式会社 藤原新」を設立。真のプロマラソン選手になりたい、という真摯な姿勢に共感した有志が集まり、同社を中心に藤原の活動をバックアップする「アラタ・プロジェクト」の発足が過日発表された。しかし藤原は実業団に所属していないため、活動費用を出資してくれるスポンサーが必要となる。そこで、藤原自身もユーザーであるという縁もあり、「ニコニコ動画ユーザーに協力をお願いできないか」と藤原が直接ドワンゴに頼み込み、今回の企画実現にこぎ着けたという。

ドワンゴの小林社長が「よくある企業協賛という定番スタイルではなく、ニコニコ動画会員が藤原を支えていく、まったく新しいスポンサースタイル」であると胸を張るその支援方法は、ニコニコ動画のプレミアム会員から、先着2万名をスポンサーとして募集し、そのユーザーが支払う月会費525円を協賛金に振り替えるというもの。提供されるプレミアム会員特典に変更はない。「応援したいという気持ちを持つユーザーが簡単にスポンサーになれます。運営サイドは特別番組を製作するなどして情報を発信しサポートをしてまいります」と説明した。

今後の藤原のニコニコ動画上の活動については、4月28日・29日に幕張メッセで開催される「ニコニコ超会議」のイベントで発表されるという。さらにニコニコチャンネル内に「藤原新チャンネル」も開設される。

藤原は「このようなチャンスを与えていただき本当に感謝しております」と深々と頭を下げ、「ただ単に観戦するのではなく、藤原新チャンネルを通して、ドキドキワクワクする気持ちを一緒に体験できるような伝え方ができれば。このような形でスポンサーを募集するのは今までにないと思いますが、きっともっとスポーツが楽しくなると思います。無収入で頑張っているアスリートは他にもたくさんいますので、その旗振り役として、チャンネルを楽しいものにしていきたい」と抱負を語った。

なぜ支援を頼んだ先がニコニコ動画だったのか、という質問には「リアルタイムで反響が見えますので、そのドキドキ感が楽しめるという点と、見せたい自分、自分の笑いの取り方がありまして、それを出せるのはニコニコ動画かなと。私の笑いのツボを共有できたらと思います」とユニークなキャラクターの一端を見せた。自身も登場することが決定している超会議では「すでに厳しいトレーニングをしていいボディーが出来上がっていますので(笑)、それをお見せしたい」とやる気だ。

また、五輪マラソンといえばカンボジア代表としての出場が危ぶまれている猫ひろしが話題だが、「いろいろ大変だとは思いますが、アスリートとしては一緒にスタートラインに立ち、ベストを尽くすということに変わりはありません。ロンドンの道はクネクネしていますので、ネコのような走りをすれば……猫さんには適したコースなのかなと(笑)」と笑いを取っていた。

ニコニコ生放送で中継された会見の様子はタイムシフト視聴が可能。スポンサーになりたいニコニコ動画ユーザーはこちらから申し込める。

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