アイファイジャパンは4月10日、都内で新商品「Eye-Fi Mobile X2 4GB forドコモ」に関する記者説明会を開催。Eye-Fi社CEOのYuval Koren氏が登壇し、新商品の概要説明を行った。同商品は4月13日よりドコモの販売チャネルにて販売が開始される。オープンプライスで、市場想定価格は5,980円。
Eye-Fiカードとは、Wi-Fi(無線LAN)通信機能を内蔵したSDメモリーカード型デバイス。SDHCメモリーカードとして利用できるほか、Wi-Fiを経由することで通信機能を持たないデジタルカメラで撮影した写真や動画データをスマートフォンやタブレット端末などに直接転送することができるようになる。今回発表された新商品は4GBのメモリ容量を持ちClass 6のスピードクラスに対応したタイプ。新機能「スマホかんたん設定」により、パソコンを介さず、Android端末で簡易的な初期設定をするだけで利用が開始できる。対応機種はAndroid OS 2.2以上を搭載する端末で、契約キャリアに関わらず使用できるという。
説明会にはEye-Fi社CEOのYuval Koren氏が登壇し、新商品の概要説明を行った。同氏はまず、Eye-Fiカードに対応するメーカーを紹介した。2008年のニコンを皮切りに、毎年大手カメラメーカーなどが続々と対応を開始しているという。
フォレスターリサーチ社による分析では「パーソナルクラウドサービスは2016年までにグローバルで120億ドル(1兆円)規模にまで成長する」という。また、ガートナーリサーチ社は「パーソナルクラウドは2014年までにPCに代わり人々のデジタルライフの中心になるだろう」と予測しているという。そうした世界的な傾向の中、同社としても、今後ともパーソナルクラウドサービスに注力していく考えだ。
Yuval Koren氏は「写真や動画データは、ユーザーにとってかけがえのないもの。そのため、サービスを提供する側とエンドユーザーとの信頼関係はとても重要なものになる」と話す。現在、同社ではGoogle Playで専用アプリ「Eye-Fi」を提供しているが、同アプリはダウンロード数、ユーザー評価で他社製のアプリを圧倒している状況だ。同氏は「このデータはひとつの指標になるだろう」と、Eye-Fiアプリの優位性をアピールしていた。
この時期、日本では桜を撮影するユーザーが急増するという。その影響で、先日の日曜日には1日に100万を超える写真がEye-Fiのサービスにアップロードされたとのこと。同氏も「大変嬉しいこと」と顔をほころばせていた。
続いて登壇したNTTドコモ ユビキタスサービス部長の高原幸一氏からは、ドコモが目指しているサービスの説明があった。同社では、写真・動画を活用した新たなモバイルコミュニケーションを通じて、スマートライフの実現を目指すとしている。
現在、ユーザーがスマートフォンや携帯端末で撮影した写真を、クラウドへアップロードしたり、フォトフレームへ送信したり、SNSサイトで共有したりできるサービスを展開しているが、「まだまだデジタルカメラで写真を撮る人が多い」(同氏談)ようで、デジタルカメラから携帯端末へ写真を送る方法を模索していたとのこと。今回のEye-Fi社との提携の話は、そんな折にあったのだという。
ドコモでは、今後ともEye-Fi社および他メーカーと提携し、よりユーザーに使い勝手の良いサービスを展開していきたいとしている。最後に質疑応答の時間が設けられEye-Fi社のYuval Koren氏、ドコモの高原氏、アイファイジャパン代表取締役の田中大祐氏が記者団の質問に答えた。
今回の新商品をドコモユーザーが使う際の利点は、フォトパネル「お便りフォト」へのアクセスが容易にできる点にあるとのことだった。新製品と従来製品との違いは、ユーザーが行う初期設定の方法にあるとのこと。基本的に、ユーザー体験に関する違いはないという。また、Eye-Fi社は昨秋からau(KDDI)と提携しているが、この関係は維持されるか、という質問には「引き続きサービスを提供していく」との回答だった。