4月6日、「CHANGEMAKERS OF THE YEAR 2012(チェンジメーカーオブザイヤー2012)」シンポジウムが開催された。 「CHANGEMAKERS OF THE YEAR」は、日経BP社(本社:東京都港区、社長:長田公平氏)が運営するビジネスパーソンのためのWebサイト「日経ビジネスオンライン」が、新しい時代のリーダーとしてふさわしい人物を選出するプロジェクトで、今年で3年目を迎える。
プロジェクトのコピーは「今だからこそ求める、時代を変える新しい力」。未来を切り開くべく、リーダーとして、開拓者として、よりよい社会を創(つく)るための努力を続けている「チェンジメーカー」たちが、毎年、選出されている。
設定されている部門は、経営・マネジメント部門、クリエイター部門、研究者部門の3部門。日経BPの専門媒体読者による投票の結果、選定された候補者から、毎年各部門の受賞者1名を決定している。
次の日本を、世界をつくるリーダーを選出
シンポジウム冒頭では、特別協賛しているリシュモン ジャパン株式会社 代表取締役社長・カルティエ チーフ エグゼクティブ オフィサー・クリストフ マソーニ氏がこう語った。
「昨年の震災後、日本が速やかに復興する姿を目の当たりにした。今後もこの国がすばらしい国でありつづけるためには、変革、起業家精神がキーとなってくるはず。若いチェンジメーカーが日本を明るい未来へと導いていくことに期待して、それを応援していきたいと思っている」
授賞式は6月14日に六本木アカデミーヒルズ49タワーホールにて開催予定。同シンポジウムではこれに先駆けて、2010年「経営・ビジネス部門」で受賞した、ライフネット生命保険 代表取締役副社長・岩瀬大輔氏と、2011年「経営・マネジメント部門」受賞者である、オイシックス株式会社 代表取締役社長・高島宏平氏によるトークセッションが行われた。
変革に必要なものは「アイデア」と「行動力」
セッション半ば、「チェンジメーカーになるために必要なことは何ですか?」との司会者の問いかけに、「まずは、あれこれ考えるのをやめてとにかく動くこと。そして、疑問に思ったことを追究すること。もうひとつは、健康管理をしっかり行うこと。そのためには食生活を正すことが大切ですね」と高島氏。同社が提供する安全でおいしい食品をアピールした。岩瀬氏のほうを向き、「健康を保ちながら保険にも入ればなおいいですよね」とコメントするや、会場が笑いに包まれる一幕も。
一方、岩瀬氏は「行動にうつすことと、信じること。ひとりひとりの行動で世界は変わると信じ、自分にできることを全力でやる」と回答。「経験がなくても、アイデアと行動力さえあればなんでもできる」という、保険業界未経験でありながら同賞を受賞するまでに至った岩瀬氏ならではの言葉に、参加者全員が真摯(しんし)に聞き入る。
また、「事業に大きな変革を起こしたいと思ったときに、もっとも大切なもの・必要なものは何ですか?」との問いかけに対しては、高島氏は「クレイジーな情熱」、岩瀬氏は「すばらしい仲間」と回答した。
参加者から「起業してからこれまでに、もうだめだと思ったことはありますか? もしあれば、その危機をどうやって乗り越えたか教えてください」という質問が挙がる。それに対し、「危機に直面するたびに、社員と一緒に“非常に危うい現状”を歌詞にしたテーマソングを創(つく)って歌ってきた」と高島氏が予想外の答えを披露すると、岩瀬氏も司会者も興味津津といった様子。ワンフレーズ歌唱をリクエストして会場を沸かせた。
セッション終了後には、日経ビジネス発行人・浅見直樹氏が、「チェンジメーカーオブザイヤー2012」の詳細と候補者を発表。 2012年は、経営・マネジメント部門=16名、クリエイター部門=17名、研究者部門=16名の最終候補者が選定済みで、現在、最終投票を実施中。投票期間は5月9日まで、投票は公式ホームページから行うことができる。
【CHANGEMAKERS OF THE YEAR 2012候補者一覧】
1.経営・マネジメント部門
有吉昌康(PTP代表取締役社長)
石川康晴(クロスカンパニー代表取締役社長)
石田宏樹(フリービット代表取締役社長 CEO)
太田克史(星海社代表取締役副社長COO)
川上量生(ドワンゴ代表取締役会長、スタジオジブリ所属)
川添高志(ケアプロ代表取締役)
川邊健太郎(ヤフージャパン最高執行責任者(COO)執行役員 兼 メディア事業統括本部長)
小松真実(ミュージックセキュリティーズ代表取締役)
佐野陽光(クックパッド代表執行役社長)
谷田千里(タニタ代表取締役社長)
寺田親弘(三三代表取締役社長)
馬場正尊(Open A代表)
前澤友作(スタートトゥデイ代表取締役)
三島邦弘(ミシマ社代表)
村上太一(リブセンス代表取締役社長)
山田淳(フィールド&マウンテン代表)
2.クリエイター部門
会田誠(現代美術家)
石上純也(建築家)
伊勢谷友介(映画監督、俳優)
猪子寿之(チームラボ代表取締役)
大根仁(映画・ドラマディレクター)
菊地成孔(ジャズミュージシャン、文筆家、音楽講師)
工藤啓(NPO法人 育て上げネット理事長)
剣持秀紀(ヤマハ 研究開発センター)
児玉裕一(映像ディレクター)
駒崎弘樹(NPO法人 フローレンス代表)
平了(ボランティア団体 スコップ団団長)
中田ヤスタカ(ミュージシャン、音楽プロデューサー)
西沢立衛(建築家)
野口聡一(JAXA宇宙飛行士)
平鍋健児(チェンジビジョン代表取締役社長、永和システムマネジメント副社長)
藤本壮介(建築家)
山口晃(画家)
3.研究者部門
審良静男(大阪大学免疫学フロンティア研究センター拠点長)
天野篤(順天堂大学医学部心臓血管外科 教授)
石黒浩(大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻 教授)
出雲充(ユーグレナ 代表取締役)
岩田健太郎(神戸大学医学部感染症内科 教授)
大木隆生(東京慈恵会医科大学外科学講座 統括責任者)
城戸淳二(山形大学大学院理工学研究科有機デバイス工学専攻 教授)
児玉龍彦(東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)
高井研(海洋研究開発機構 深海・地殻内生物圏研究プログラム プログラムディレクター)
中川恵一(東京大学医学部附属病院放射線科 准教授)
中村祐輔(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター ゲノムシークエンス解析分野 教授)
早野龍五(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 教授)
間野博行(自治医科大学 分子病態治療研究センター 教授)
武藤真佑(祐ホームクリニック院長)
村山斉(東京大学 数物連携宇宙研究機構(IPMU)機構長、特任教授)
山中伸弥(京都大学 iPS細胞研究所長)
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