Windows 7はタッチパネルでの操作を考慮した機能が搭載されており、本機のように物理的なキーボードやマウスがないストレートPCでも、一通り操作できるようになっている。しかし、もともとタッチパネル向けにデザインされたOSではないため、iOSやAndroidに比べると操作に難があるというのが正直なところ。特にウインドウのリサイズやメニュー選択など、細かい操作がやりづらい。

タッチパネルでの操作を改善したのが、次期OS「Windows 8」だ。Windows Phone 7などで注目を集めた「Metro UI」が搭載されており、タッチパネルでの操作に最適化されているのが特長になっている。そこで、今回は本機に先日公開されたばかりの「Windows 8 Consumer Preview」(以下、Windows 8 CP)をインストールして使ってみることにした。

Windows 8 CPをインストールしたところ。非常にサクサク動作する

Windows 8 CPのMetro UIはタッチパネルに最適化されており、直感的な操作が可能。タップしたときの反応もよく、快適に使用できた

もっとも現在のところ、Windows 8 CPは正式にサポートされているわけではないので、インストールは自己責任になる。またWindows 8 CPを本機に導入する際は、いくつか注意が必要だ。たとえばUSBポートの数。セットアップ時にUSBメモリやDVDメディアを使うので、それらをつなぐためのUSBポートが必要になる。

また、これらのメディアから起動するには物理的なキーボードが必要となるが、本機のUSBポートは1基しか用意されていないので、そのままではメディアから起動することができない。インストール時には、あらかじめUSBハブを用意しておく必要がある。

もうひとつ注意したいのが、ストレージの空き容量だ。本機は32GBのSSDが搭載されているが、初期状態で空き容量は10GB前後しかない。Windows 8 CPの32bit版のシステム要件を見ると16GBの空き容量が必要となっているので、そのままではインストールできない可能性がある。

そのため、Windows 7環境のソフトや設定を引き継ぎたい場合は、事前に不要なソフトやファイルをできるだけ削除しておくことが必要になる(もちろん、クリーンインストールする場合は空き容量の心配は不要)。いずれにしても、インストール前には必ずシステムイメージのバックアップを作成しておくようにしよう。

以上の注意点に気をつければ、インストール自体は比較的簡単。導入後はまるでWindows 8 CPが最初からインストールされていたかのようにすんなり起動する。スタート時はMetro UIがデフォルトで表示されるが、タッチパネル向けUIということもあり、本機での動作もスムーズ。タップやフリックの反応もよく、ワンテンポ遅れることなく指の動きに追従するのが快適。

フリックやスワイプをしたときの追従性もよく、各種アニメーションの動きも非常にスムーズだった

Windows 8 CPでは、設定パネルなどもタッチ操作しやすいようデザインされている

OSがベータ版のためか、ときどき動作が鈍くなったり、画面の自動輝度調整が不安定になったりしたが、Windows 8製品版では解消されているはず。正式リリースが楽しみなOSである。

Windows 8 CPでアプリの一覧を表示させたところ。アイコンが異なるので、Metro UIに最適化されたアプリと、従来式のアプリが見分けやすい

Windows 8 CPでは、従来のようなデスクトップUIも用意されている。キーボードやマウスをつないで使うときは、こちらの方が使いやすい

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