デル CSMBカスタマーサービス ディレクターの秦宇暉氏 |
エントリー向けとなる「Inspiron」に加え、比較的ハイエンドユーザー向けと思われる「XPS」「ALIENWARE」向けにも「プレミアム電話サポート」を提供する背景として、デル CSMBカスタマーサービス ディレクターの秦宇暉氏は「PCの販売価格の下落による購入層の拡大」を挙げる。
「以前と比べて、ハイエンドのマシンでも価格が下がり、初心者の方に買ってもらえるようになっている。また、最近の傾向として年配の人もインターネットで買い物を行うなどPCを利用している。そういった動きに合わせて、PCの購入時から利用するまでの問い合わせに対し、ほとんどカバーできるサポート内容を提供する」と秦氏。
「プレミアム電話サポート」が標準で利用可能な「XPS 13」では、製品の位置付けとして従来の「XPS」がメインターゲットとしていたハイエンド志向のユーザーだけではなく、法人向けの利用を含め、より幅広いユーザーをターゲットとするという狙いがある。
泰氏によると、ユーザーが電話サポートサービスを利用するうえでの不安として、「ユーザーが電話をするたびに違う担当者が出る場合、ユーザーがその都度状況を説明しなければならない状況に陥りやすい」ことがあげられるという。デルのカスタマーサポートでは、ユーザーの抱える状況をリアルタイムで共有しているため、1件の問い合わせ内容に対し違う担当者でも継続的なサポートが提供できる体制となっている。
問い合わせ内容に対しても、ユーザーからの連絡を待つだけでなく、カスタマーサポート側からもユーザーにフォローの連絡を入れるという。例えば、トラブルの解決にOSの再インストールが必要な場合など、作業に時間を必要とするときには、再インストールが終わったころを見計らってユーザーに連絡を入れて、現在の状況やその後の作業についてのフォローを行う。
また、スキルのあるユーザーには情報提供に徹し、初心者ユーザーに対しては、専門用語を使わずに、操作の細かいナビゲーションを説明するといった。ユーザーのニーズに合わせた対応を行っているという。
中には、デルが提供するサポートの範囲外の製品について問い合わせを受けるケースもあるが、その場合も単に範囲外とするのではなく、製品やサービスを提供する会社のサポート窓口を紹介するといった対応を行っている。さらにBTOにてセットで購入できる一部の製品に関しては、カスタマーセンター同士での連携を行っており、ユーザーの了解を取ったうえで、その製品を提供する会社のサポート窓口からユーザーにコールバックを行うという体制も整えている。
「なるべくワンストップでの対応を目指している。カスタマーセンター同士の連携もまだ一部だが、今後拡大していきたい」(秦氏)
そのほか、サポート対象となっている他社製のソフトウェアに関しては、テクノロジーに強いチームが、日ごろから情報収集を行い、同社の持つナレッジシステムに情報を蓄積するほか、スタッフに対する勉強会を開催するという。
サポートの重要性はますます高まっていく
デルはここ数年、PCメーカーからソリューションプロバイダーへの転進を掲げて取り組みを行っている。ユーザーが抱えている悩みや問題に対して、ソリューションを提供するに当たって、サポートサービスの重要性は今後ますます高まっていくだろう。「XPS 13」のように、これまでのデルのユーザーよりも幅広いユーザー層をターゲットにするならばなおさらだ。
デルも幅広いユーザーニーズに対応するため、宮崎カスタマーセンターの人員拡充などより一層サポートに力を入れていく考えだという。