ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(以下WDLC)は、「Digital Youthプロジェクト」の一環として、都内にある京都造形大学・東北芸術工科大学外苑キャンパスにおいて世界を変える1日限りの特別講義と題した特別講義「Digital Youth College」を開催した。

WDLCは、IT機器の利用によって人々の生活や行動をいかに充実させられるか?いかに生産的にできるか?といったテーマを掲げ、数々の企業がこれに参加している。過去には地上デジタル放送化に伴う「パソコンも地デジカ」キャンペーンを展開し、地デジ番組の録画機能の訴求やライフスタイルの提案などともにサービスやハードウェア製品の促進に寄与している。「Digital Youthプロジェクト」は、経済産業省の支援を受け、若年層の創造力やコミュニケーションスキルの向上を図る目的を持つ。去年の12月からは、社会人を控える大学生向けに「SUPER ROOKIES」キャンペーンを展開。社会で活躍する著名人やビジネスパーソンたちの人生経験をデジタルファイルで閲覧できる「経験フォルダ」、同世代の活躍する「等身大のヒーロー紹介」と題したPCを駆使する同世代の映像など、興味深いコンテンツも提供している。今回開催された「Digital Youth College」は、"世界を変える働き方"をテーマに若手経営者によるパネルディスカッションや経営者たちの感覚を取り込める一日だけの特別講義となる。

Digital Youth College学長を務めるWDLC事務局長、勝俣喜一朗氏(日本マイクロソフト OEM統轄本部業務執行役員・マーケティング本部長)


Digital Youth College学長を務めるWDLC事務局長、勝俣喜一朗氏(日本マイクロソフト OEM統轄本部業務執行役員・マーケティング本部長)から、開式挨拶が行われた。勝俣氏は、留学生の人口比が日本の倍におよぶ韓国の企業であるサムスンとLGの2社トータルの利益が、WDLCに所属する国産メーカーすべてを足してもかなわないという現状について触れ、国をまたがってグローバルにアクションしていく力グローバルアクションが重要であるとする。

また、欧米型資本主義の限界が見え始めているという点で、「お金はあくまで手段であり、目的ではないこと。お金を活用して一つの事業をいかに成し遂げていくかを考える深い考察力(ディープソート)が求められている」と述べる。そして最後に「全世界において日本のもっとも強い競争力は、何か?まさしく日本人が伝承し、継続し続けている、お互いを思いやりながら、ひとつのことを成し遂げるチームワーク」とし、「グローバルアクション」、「ディープソート」、「チームワーク」を今求められる3つのキーワードとして提示した。




経済産業省産業人材政策室 梶川文博氏

続いて登壇した経済産業省産業人材政策室 梶川文博氏からも若い世代へのエールが送られた。産業人材政策室は、産業界において必要な人材を育成するための施策を行う部署で、梶川氏自身もこれまで数百人以上の産業界や大学などの人材育成に関わる人々と接してきたという。梶川氏からもビジネスをグローバルにどう対応していくかを牽引できるような人材を求める声が多いこと、技術や製品といった従来から日本の企業が強い部分に加えて、デザインやユーザーといったテクノロジーとは別のイノベーションを取り入れられること、そして何よりも「世界を変えてやろうとか、チャレンジ精神、失敗してもがんばっていこうというマインドの部分を若いうちに持つことが重要」と述べた。

パネルディスカッションは、猪子寿之氏(チームラボ代表取締役社長)、家入一真氏(パーティカンパニー代表取締役社長)、古川健介氏(ロケットスタート代表取締役社長)、清水久敬氏(ディ・エフ・エフ代表取締役社長)、高橋理子氏(アーティスト/ヒロコレッジ代表取締役社長)、元広告批評編集長の河尻亨一氏(銀河ライター代表)をファシリテーターとして行われた。若くしてビジネスを立ち上げるパネリスト達からは、時に笑いも巻き起こる雰囲気の中、起業の動機から学生時代の話、教育に関する話からインターネットの話題と多岐にわたり繰り広げられた。その後、各講師による個別の特別講義が開始。各講義の内容は、質問が飛び交う教室や真剣に起業家達の声に耳を傾ける教室とバラエティある講師によって様々だ。

猪子寿之氏、チームラボ代表取締役社長

家入一真氏、パーティカンパニー代表取締役社長

古川健介氏、ロケットスタート代表取締役社長

清水久敬氏、ディ・エフ・エフ代表取締役社長

高橋理子氏、アーティスト/ヒロコレッジ代表取締役社長

河尻亨一氏、元広告批評編集長、銀河ライター代表

特別講義を受けた学生達は、卒業式を迎えることになる。卒業式では、名刺交換会や抽選会やゲーム大会なども繰り広げられる。最後を飾るシンガーソングライターの川嶋あいさんからは、「まだ少ない人生ですが、わたしはかっこいい大人になるためには知力が必要だと思います。何事においてもすべては知ることからはじまって、知ることで人は豊かになると思います。みなさんもいろんなことを知って、夢を叶えてください。」と1日限りの特別講義を終えた卒業生達に卒業ソング「旅立ちの日に」が贈られた。

川嶋あいさんによるスペシャルライブ