『蒼穹のファフナー』や『宇宙のステルヴィア』ほか、数々のアニメ主題歌でおなじみのangelaだが、その18枚目のシングルとなる「THE LIGHTS OF HEROES」が2012年1月25日にリリースされた。
本作は、バンダイナムコゲームスより2012年1月19日にリリースされたプレイステーション・ポータブル用ソフト『ヒーローズファンタジア』の主題歌。カップリングには、名曲「Shangri-La」を舞台用にリレコーディングした「Shangri-La〔mf〕」と書下ろしの「So sweet memories」が収録されている。
さらに『ランジェリー・フットボール』を扱ったプロモーションビデオでも話題を集めた本作について、angelaの2人が語ったメッセージを紹介しよう。
angelaが語る「THE LIGHTS OF HEROES」
――新曲となる「THE LIGHTS OF HEROES」はプレイステーション・ポータブル用ソフト『ヒーローズファンタジア』の主題歌ですが、これまでにゲームの主題歌を担当なさったことは?
KATSU「実はこれが初めてのゲーム主題歌になります」
atsuko「意外にやっていなかったんですよ」
――ゲームの主題歌とアニメの主題歌では、アプローチや制作過程などに違いはありますか?
KATSU「これが本当にまったくの別物なんです。アニメの主題歌を作るときは、最初にシナリオや脚本をいただいてから作る。つまり、ストーリーの最初と結末を知ってから作るわけですよ。その中から主題となるものや作り手側のメッセージを探っていく。アニメの主題歌というのは、作品が持つ本当のテーマを背負うものだと思っているのですが、ゲームの場合は少し違う。というのも、ゲームはプレイヤーが自分でストーリーを進めていくものじゃないですか。ゲームによってはエンディングがいくつもあったりしますし。そのあたりのアプローチがまったく違うところですね」
――これまでの方法論とは少し違ってくるわけですね
KATSU「アニメの主題歌と同じ作り方ではダメなんだというのが最初にあったのですが、さらに『ヒーローズファンタジア』は、10作品をひとつの物語で進めていくというところに特徴のあるタイトルなので、どこかひとつをフィーチャーするということもできないわけですよ。そのあたりも今までとは違うなって」
atsuko「基本的な設定資料を事前にいただいたのですが、読めば読むほど難しく考えすぎちゃって……。ひとつの作品、ひとつのキャラクターをフィーチャーすればよいというものではないので、それなら私たちが描くヒーロー像を熱く歌い上げよう、angelaらしい曲を熱く歌ってみよう、そういうところで話がまとまりました」
――詞を書く上で難しかったところはありますか?
atsuko「難しい単語とか、読んだだけでは意味が理解できないものを並べるようなことはせず、読めばわかる、そんなわかりやすい歌詞にしたかったのですが、ただ簡単な言葉ばかりを使っていくと何かチープな印象を与えるのではないかという心配もありました。あと、ものすごく熱いことを書くのが、ちょっと恥ずかしいというのもあったのですが、ここはそれを書いてもいい場所なんだ! と自分の中で割り切りつつ、俺がヒーローだぜ、私がヒーローだぜ、ついてこいよ! みたいな歌ではなく、"あなたがヒーローなんだよ"という感じのちょっと第三者視点で書くことによって、熱いながらも一歩距離を置いたヒーロー像を描き出せているのではないかと」
――熱い詞というのはやはり書きにくいですか?
atsuko「書きにくいです。あまりストレートすぎる応援歌って、angelaの曲にはないんですよ。どちらかというと、逆境の中を、向かい風の中を進んでいく、みたいな曲が多いですし、自分自身がものすごく熱い人間かと言われたら、そうでもない気がする。そんな自分が、はたして熱いことを語ってもよいのだろうか? そういった葛藤があったことも、"私がヒーローだぜ"って歌詞にできなかった理由にもなっていると思います」