俳優の松山ケンイチらが、24日、東京・渋谷TOEIで行われた、映画『僕達急行 A列車で行こう』の初日舞台あいさつに出席した。
映画『僕達急行 A列車で行こう』は、大企業で働くマイペースな小町(松山)と下町の鉄工所の跡取り息子である小玉(瑛太)が大好きな鉄道を通して仲良くなり、恋に仕事に悪戦苦闘する姿を描いたハートフルコメディー。
舞台あいさつには、主演の松山のほか、貫地谷しほり、村川絵梨が出席し、松山は「幅広いジャンルで撮る森田監督の、原点のような作品に参加できて光栄でした。本当だったら、今ここに監督がいるはずだったんですが残念です……。作品にこもった監督のエールがみなさんに伝わると思う」と、昨年12月に急逝した森田芳光監督をしのんだ。
森田監督について、松山は「真面目にやっている人のおかしさを撮りたいから、人を笑わせる演技はしないでくれと言われてました。演出に付いて行くのに精いっぱいで」と振り返り、「本当に人が好きな方で、コミュニケーションをよくとるんです。僕は田舎の人間なんで、人と接するのが苦手なんですが、監督にならってポジティブにしていたら、今すごく楽しい」と感謝。貫地谷も「たくさんダメ出しを受けて、何がいけないんだろうって自問自答してました。そういう環境は初めてだったし、有り難かった」と明かし、村川は「今の若い人たちが抱いてるドライな感情を、ものすごく客観的に見られてて。監督のメッセージの深さに、あらためて自分の人生観を考えました」と思いを語った。
劇中で、積極的なOL・あずさ(貫地谷)と社長秘書・みどり(村川)に思いを寄せられる松山は、「趣味は"急行"で、恋は"鈍行"でしたが、小町は地に足が着いてる人間なんで、2人はひかれたんじゃないかな」と役どころを分析。「松山さんは、ナチュラルで本能的に役を作ってる姿がステキだなと思いました」(貫地谷)、「お会いする度にイメージが違っていて、本当に役者さんだなと思います」(村川)と2人にベタ褒めされると、「自分を持ってないってことですよー」と照れ笑い。「森田監督は、アドリブNGなんですが、貫地谷さんのアドリブが採用されたんですよ。小町としても、俳優・松山ケンイチとしても負けたって思いましたね」と明かして笑わせていた。
『僕達急行 A列車で行こう』は現在全国ロードショー中。