ウブロはこのほどスイスで開催されたBASELWORLD 2012にて、「MP-04アンティキティラ」を発表した。"世界最古のコンピューター"とも称される「アンティキティラ島の機械」のメカニズムを応用したもので、非売品として世界で4本だけ限定生産される。
「アンティキティラ島の機械」は1901年に沈没船から回収された古代ギリシアの天文計算機。多くの歯車が複雑に組み合わされ、天体の動きや暦の計算に用いられたと考えられる。ウブロはこの仕組みを進化させた時計用のムーブメントを制作、2011年10月にパリ工芸博物館で公開した。
バーゼルワールドにて公開された「MP-04アンティキティラ」は、ケースとベゼルなど本体の主要な部分にチタニウムを採用、表と裏両面のサファイアガラスがダイナミックなムーブメントを際立たせるデザイン。6時と12時の位置にそれぞれリューズがあり、巻き上げと時間のセットや月と太陽の位置を示す天文表示の調整などを行う。ケースの大きさは49.9mm×49.05mm×厚さ20.83mm。
この時計はバーゼルワールドで展示された後、「アンティキティラ島の機械」の破片が所蔵されているアテネ国立考古学博物館で展示される。なお、他の3本のうち1本は「機械」の研究の一助にするためにアテネ国立考古学博物館と共同でオークションに出品される。もう1本はパリ工芸博物館で常設展示され、最後の1本目はウブロ本社で保管される予定だ。