ソニーは23日、液晶テレビ「BRAVIA(ブラビア)」の5シリーズ・13機種を発表した。新モデルではネットワーク機能が強化され、より多彩なネットサービスがテレビで楽しめるように進化している。同日、新モデルのリリースに合わせて報道関係者向けに発表会が開催された。
発表会には、ソニーマーケティング ホームエンタテインメントプロダクツマーケティング部統括部長の本多健二氏が登壇。「2011年までは"地上デジタル放送を観よう"と思って薄型テレビを購入する方が多かったと思うが、今後は別の軸が求められる」と2011年の地上デジタル放送への完全移行終了(一部地域を除く)を境に、テレビ番組視聴以外の付加価値の重要性が高まっていることを強調した。
その上で本多氏は、次世代のテレビに求められる機能としてネットワーク機能を提示。ブラビアの新モデルに搭載された「Sony Entertainment Network(SEN)」を紹介した。SENでは、ネット動画・音楽サービスのほか、ネットショッピングサービス、Twitter・Facebook・Skypeなどのコミュニケーションサービス、PetaMapなどの情報検索・管理サービスが利用可能となっている。
本多氏はネット動画サービスを例に挙げ、「ネット動画といえば、従来は個人で楽しむものだったが、テレビであれば家族全員で楽しめる。テレビには、テレビならではの楽しみ方がある」と、リビングに置いた状態で家族全員が同じ楽しみを得られるメリットを訴求した。
同社の説明によると、2010年3月では10%台前半だったブラビアのネットワーク接続割合だが、2011年3月には40型以上で14%、46型以上で19%、2012年3月には40型以上で32%、46型以上で41%以上へと急増。大型モデルを中心にテレビでネットを利用する人が増えているという。本多氏は、「2011年春モデルから、テレビCMなどでネットワーク接続を訴求し、また店頭でも動画やSkypeなど多彩なネットサービスを利用できる点をアピールしたことが貢献した」と述べた。
ネットワーク設定などのハードルに関しては、「高齢者を中心に、ネットワーク接続が上手く行えないといったケースが起こり得ることは認識している」とコメント。その上で、「ハードウェアの工夫で(接続を)簡単にできる部分は簡単にし、どうしても避けられない初期設定のハードルは特約店の店員などを通じてフォローしていきたい」と対策を検討していることを説明した。
なお、地デジ移行に伴う駆け込み需要で「2011年度は1,600万台の規模」(本多氏)を誇った薄型テレビ市場だが、2012年度は800万台へと縮小するとソニーでは分析している。本多氏は「高付加価値の提供により、市場の縮小による売上減少をカバーできる成長を図りたい」と、ソニーが目指すべき方向性をコメントした。