女優の宮崎あおい、俳優の役所広司らが19日、東京・丸の内ピカデリー1で行われた映画『わが母の記』の完成披露試写会に出席した。
映画『わが母の記』の完成披露試写会に出席した宮崎あおい 拡大画像を見る |
映画『わが母の記』は、昭和39年~49年にかけて発表された井上靖の自伝的小説を映画化したもので、第35回モントリオール世界映画祭では審査員特別グランプリを受賞。作家の伊上洪作(役所)は、琴子(宮崎)ら3人の娘たちとぶつかりながらも賑やかな家庭を営んでいたが、ある日、洪作の父が亡くなったことで次第に母・八重(樹木希林)の記憶が無くなり始める。幼少期、両親から離れて育ち、母に捨てられたと思い込んでいる洪作は、やがて母の伝えられなかった想いを知る――という親子の絆と愛を描いた作品で、4月28日から全国公開予定。
舞台あいさつには、役所、樹木、宮崎のほか、洪作の娘役のミムラ、菊池亜希子と原田眞人監督が出席し、役所は「日本の美しい緑や森の風景が映ってます。ゆっくり楽しんで観て欲しい」とアピールした。樹木と初共演だったという宮崎は、「樹木さんは若い時はシャンとして、おばあさんの時は小さくなって、サイズが変わるのがすごい。近くで見て、勉強になった」と感嘆。映画『ユリイカ』以来、12年ぶりの共演となった役所については「大人になってからお会いすると色気がすごくて……。色っぽい親戚のおじさんって感じでした」とベタ褒めすると、役所は笑って大照れしていた。
周囲が女性ばかりの役どころだった役所は、「かわいらしい母と出来のいい娘たちに囲まれて楽しい撮影でした」と振り返ったが、「娘たちの部屋に行っても居心地悪くて、やっぱりポツンとしてた。樹木さんがいたから寂しくなかったですけど」とポロリ。樹木は「"かわいらしい母"です。どれだけ憎らしいか、観て楽しんで」とあいさつし、役づくりについて聞かれると「同世代の女優がおばあさんの役をやりたがらないから、私に回ってくるだけ。鉄の女・サッチャーに負けないようにしないと」と話して会場の笑いを誘っていた。