ソフトバンクモバイルは3月16日、アップルが3月7日(日本時間8日)に発表した新「iPad」の販売を開始した。旗艦店のソフトバンク銀座では販売開始に合わせて、発売記念セレモニーが開催され、同社社長の孫正義氏、テレビCMに出演しているモデルのトリンドル玲奈さんが出席した。
ソフトバンク銀座店では、発売を30分後に控えた午前7時半の時点で数十人の行列ができていた。広報の発表では、8時の時点で約70人ほどの行列ができていたという。先頭付近の浦安から来たという男性は6時40分くらいに銀座店に到着したとのことで、「カメラの性能が良くなったので試してみたい」と話してくれた。また、先頭付近に並んでいた、頭にiPadの模型をつけた男性は「かなりワクワクしている」と興奮している様子だった。
新iPadは、9.7インチ(2,048×1,536ピクセル)の Retina Displayを採用したタブレット端末で、クアッドコアの「A5X」プロセッサを搭載する。そのほか、フルHDの1080pに対応した5メガピクセル iSightカメラなどが利用可能。ソフトバンクモバイルが提供するのはLTE通信に対応したWi-Fi+4Gモデルで、本体価格は16GBが53,760円、32GBが61,680円、64GBが69,600円。
ソフトバンク銀座のエントランスでは発売開始時刻まで、カウントダウンが行われた。孫社長は「新しいiPadは画面が綺麗で、描画速度も速い。バッテリー容量が2倍くらい大きくなったにも関わらず、薄さはそのまま。さすがアップルといった感じです。1秒でも早くお客様に届けたい気持ちです」と新製品をアピールしていた。
最初に契約を終えて出てきたのは、昨日の22時すぎから並んでいたという、さいたまの男性。「非常に感激しています。画面が綺麗になったということなので、映像を見てみたいです。あと、音声入力も試してみたい」とコメントした。隣で見ていたトリンドル玲奈さんも思わずひとこと、「羨ましい。私も欲しい」。孫社長は「iPad 2が発売されたとき、スティーブ・ジョブズは『この次のタブレット機はもっとすごいんだ』と明言していた。なので、この端末はジョブズの思いが込められた製品なんです」というエピソードを明かした。
囲み取材で、孫社長は「タブレット端末は世の中に何機種もあるけれど、どうしてiPadがここまで圧倒的に売れているのか。表面的に似たものを作るのは簡単だけれど、普通の製品は妥協しなくてはいけなかった部分が残っている。でも、アップルの製品はソフトもハードも素晴らしく、トータルバランスが絶妙に良い。スティーブ・ジョブズの思想が結晶されているからです」と熱く語った。
記者団から、ソフトバンク銀座はユニクロがあった場所ですね、と問われた孫社長は柔和な笑顔になり、「銀座は日本でもトップの高級な店が立ち並ぶところ。ここは、実は柳井さんに友だちのよしみで譲ってもらった敷地なんです。最高の土地にお店を開店できて、本当に嬉しい」と話した。