株式会社ケアネットが、3月5日・6日に同社医師会員1,000人を対象に、漢方薬の処方状況に関する調査を行った。その結果、3割は疾患・状態により漢方薬を第一選択薬として処方していると回答。9割以上が漢方治療に関心持つものの、学ぶ機会が少ないと答えていることがわかった。
調査によると、同社医師会員のうち3人に1人は漢方薬を第一選択薬として利用していると答えている。
外科では半数以上が利用する理由については「西洋薬の効果に満足しない場合は処方する」が42.4%、次いで「疾患・状態により第一選択薬とする」と回答した医師が34.1%。「患者から要望があった場合のみ処方」する医師を併せると、全体の9割以上が漢方薬を処方していることがわかった。
診療科別に見ると、外科では半数以上の54%が漢方薬を処方しているという結果になっている。その他、内科・消化器科・整形外科・循環器科・泌尿器科・小児科・精神神経科なども概ね30%以上が漢方薬を処方していると回答。
また、漢方薬に求める効果についての調査では第一位が「症状の緩和」で74.9%。続いて「西洋薬で効果が見られない場合の改善」は54.9%、「QOL向上」(30.9%)「体質改善」(28.0%)。漢方薬は薬価が低く、1つの薬で様々な症状に対応可能なため、医療費の軽減が可能と言われているが、その「薬剤費の節減」については2.4%にとどまった。
調査では、医師会員からさまざまなコメントが寄せられているが、その中でも「関心はあるが体系的に学ぶ機会が少ない」といった声が多いこともわかった。
「漢方について専門的に学んだわけではないために細かい診断ができず、特定の疾患に特定の漢方のみ処方している」という声もある。
漢方薬に関心はあるものの、病態の捉え方など西洋医学と全く異なる漢方医学を学ぶことに対し、時間的余裕・内容面で困難を感じている医師が多いということもわかった。
調査は医師・医療従事者向け専門サイト「CareNet.com」医師会員1,000人に対し、2012年3月5日~6日に実施。
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