グーグルは7日、同社の新しい災害対応の取り組みについて記者説明会を行った。同説明会では「パーソンファインダー」の機能拡充、「災害時ライフラインマップ」、「災害情報まとめサイトの常設」、「クライシスレスポンス活動記録の公開」についての説明が行われた。
冒頭に登壇した同社製品開発本部長の徳生健太郎氏からは、まず昨年の東日本大震災時にグーグルが行った取り組み・対応についての紹介があった。パーソンファインダーはオンラインで被災者の安否確認や照会が行えるサービスで、ピーク時には67万人前後の情報が登録されたという。また、PCが使えない環境を配慮して、掲示板の内容をケータイのカメラで撮りアップロードできるシステムも構築された。そのほか、Google Earthの衛星写真で被災の状況を伝えたり、道路の交通実績をユーザーに提供したり、というサービスも行われた。「これらは、多くのボランティアの方々やパートナー様の協力なくしては行えないサービスだった」と徳生氏は当時を振り返った。
パーソンファインダーのシステムは発災以前から構築されていたので、災害が起きてから短時間で対応することができたのだという。しかし他の多くの取り組みについては、その都度、模索しながら立ち上げを進めていくしかなかったとのこと。「結果的には、いろいろできたとは思うが、課題も残った」という反省から、本日、新しい災害対応の取り組みを発表するに至ったと説明した。
パーソンファインダーの機能拡充
災害時に提供するパーソンファインダーが、NTTドコモが提供する「災害用伝言板」、およびKDDI・沖縄セルラーが提供する「災害用伝言板サービス」と連携し、相互に情報を共有することができるようになる。これにより、携帯電話からパーソンファインダーへアクセスがしやすくなり、また、パーソンファインダーで携帯電話番号を検索すると各携帯キャリアが提供する災害用伝言板サービスに直接アクセスできるようになるという。徳生氏は「間口を広げ、検索の幅を広げる取り組み」と説明した。
なお、災害時にのみ提供されるパーソンファインダーだが、3月11日に1日だけ試験的に利用できるようになるという。同氏は「パーソンファインダーに初めて触れる方には、ツールに慣れていただける機会になると思います。有事のときに、戸惑うことなくお使いいただくことがグーグルの願いです」と11日の利用を広く呼び掛けた。
災害時ライフラインマップ
今回、新たに「Google 災害時ライフラインマップ」が公開される。これは、地図上でライフラインとインフラの復旧情報が閲覧できるというもの。具体的にはKDDI・沖縄セルラーや東京ガスなどとパートナーシップを結ぶことで、各社から提供されたエリア復旧状況情報が地図上で閲覧できるようになる。将来的には地域・企業の分け隔てなくこのサービスが使えるように調整していきたい考えだという。