冒頭でも述べたように、テレキングの大きな特長は、同一ネットワーク内にあるiOS端末でもテレビを楽しめる点(iOS端末をネットワークに参加させるためにWi-Fi環境が必要)。iPhone、iPod端末では「TVPlayer」を、iPadでは「TVStream」というアプリケーションをApp Storeからダウンロードし、インストールして使用する(対応OSはiOS 4.01以降)。
iOS用のアプリでは、テレビ番組のリアルタイム視聴、およびPCで録画した番組の再生が行える。どちらの場合も、Wi-Fiの同一ネットワーク内で起動しているPCを経由して利用する形態だ。
加えて、PCを経由しなくても、テレキングで受信した地デジ放送をiOS端末で視聴する方法もある。これにはアイ・オー・データ機器の無線LANルータ「WN-AG450DGR」を使う。
WN-AG450DGRは、最大450Mbps(規格値)の高速通信が可能な無線LANルータで、USBデバイスサーバー機能を持っている。WN-AG450DGRに接続したUSB機器を、ネットワーク内の複数PCで共有できる機能だ。このUSBデバイスサーバー機能を利用して、テレキングで受信した地デジ放送をiOS端末に配信する。対応するiOS端末は、iPhone 4S、iPhone 4、iPhone 3GS、iPod touch 4G、iPad、iPad 2だ(iOS 4.1以降)。
iOS端末には、App Storeから地デジ視聴用アプリ「テレキングmobile」をダウンロードする必要がある。テレビの画面は縦・横のどちらでも表示可能だ。フリックでチャネルの切り替えができるほか、ピンチアウトでの画面拡大・縮小にも対応している。
実際に使ってみると、手持ちのiPadが小型テレビの代わりになるという点に、やはり大きな魅力を感じた。画面が小さくて、受信感度が低くて、画質も悪いフィーチャーフォンのワンセグに慣れていた身には、「iPadの大きな画面で」「放送が途切れない」「フルセグの高画質な番組を連続視聴できる」というのが、とても新鮮で嬉しいことだった。普段それほど熱心に見ていなかった番組まで見るようになっている。
テレビを見る時間が増えたので、ほかにしわ寄せが来ているかというと、実はこれがそうでもない。例えば、これまでならキックオフから試合終了まで、1時間半以上もテレビの前を離れられなかったサッカー中継などは、入浴しながらリアルタイムで見ている(iPadに防水用の袋が必要だったが…)。さらにキッチンで、何か料理しながら番組を流し見ることもしばしば。寝る前にベッドで横たわりながら見ることもある。日常生活の時間の隙間を埋める感じで、活躍してくれているのが現状だ。テレキング+WN-AG450DGRを使うようになって、テレビ依存率が明らかに上がった筆者なのであった。
無線LANの電波が届く範囲であれば、テレビのアンテナ線を気にしないで家中どこでも地デジが楽しめるようになる、テレキング+WN-AG450DGR。iOS端末を所有していれば、日々の生活の中で色々と活躍してくれるだろう。