第35回日本アカデミー賞の授賞式が2日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開かれ、『八日目の蝉』が最優秀作品賞を受賞したほか、同作に出演した井上真央が最優秀主演女優賞を受賞した。

『八日目の蝉』で主演女優賞を受賞した井上真央(右)と助演女優賞を受賞した永作博美 拡大画像を見る

また、『大鹿村騒動記』の故・原田芳雄さんが最優秀主演男優賞を受賞。助演男優賞は、『冷たい熱帯魚』のでんでんが受賞した。『八日目の蝉』は、作品賞、主演女優賞と永作博美が助演女優賞を獲得したほか、監督賞、脚本賞、音楽賞、編集賞、録音賞、照明賞、撮影賞の計10冠となり、賞を席巻した。

井上は「最優秀賞は早すぎるという思いもありますが、うれしくて誇りに思います。この賞を自信と誇りに変えて頑張っていきたい」と目を潤ませながら受賞を喜んだ。撮影がハードだったらしく、喜びはひとしおのようで、「撮影の時の苦しかった思いが報われました。何度も逃げようかと思いましたが、逃げなくてよかった」と感無量の様子。永作も「本当にうれしいです。びっくりし過ぎて大変です。役者としての可能性を感じた作品になりました」と満面の笑みを見せた。

話題賞の俳優部門では、AKB48の前田敦子が受賞。前田は「こんな素敵な賞をいただきましてありがとうございます。女優業はまだまだわからないことが多いんですが、とても糧になります。うれしいです」と喜んでいた。

最優秀賞受賞リスト

部門 受賞者・作品
作品賞 『八日目の蝉』
主演男優賞 原田芳雄『大鹿村騒動記』
主演女優賞 井上真央『八日目の蝉』
監督賞 成島出『八日目の蝉』
脚本賞 奥寺佐渡子『八日目の蝉』
助演男優賞 でんでん『冷たい熱帯魚』
助演女優賞 永作博美『八日目の蝉』
アニメーション作品賞 『コクリコ坂から』
話題賞(俳優部門) 前田敦子『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーを読んだら』
話題賞(作品部門) 『モテキ』
音楽賞 安川午朗『八日目の蝉』
外国作品賞 『英国王のスピーチ』
編集賞 三條和生『八日目の蝉』
録音賞 藤本賢一『八日目の蝉』
照明賞 金沢正夫『八日目の蝉』
撮影賞 藤澤順一『八日目の蝉』
美術賞 西岡善信、原田哲男『最後の忠臣蔵』
会長特別賞 岡田茂、佐野武治、高峰秀子、原田芳雄、森田芳光 ※いずれも故人
協会特別賞 御所園久利(大道具)