日本貸金業協会はこのほど、「資金需要者の現状と動向に関する調査」の結果を公表した。これによると、ヤミ金融など非正規業者を利用したことがある、もしくは接触したことがある「事業者」の借入利用者の割合は22.9%で、昨年度の資金需要者調査と比べると7.7ポイント上昇した。

「資金需要者の現状と動向に関する調査」は2011年11月18日から12月14日にインターネットで実施し、回答者数は資金需要者6,552人(個人 : 3,618人/専業主婦(主夫) : 1,187人/事業者 : 1,747人)だった。

これによると、ヤミ金融など非正規業者を利用したことがある、もしくは接触したことがある「個人」の借入利用者の割合は7.8%で、昨年度の資金需要者調査と比べると1.3ポイント上昇。

また、クレジットカードショッピング枠の現金化業者(※)を利用したことがある、もしくは接触したことがある「個人」の借入利用者の割合は8%で、昨年度の資金需要者調査と比べると0.2ポイント上昇した。

※クレジットカードで商品を購入させ、手数料を差し引いた金額で買い取る業者や、ほとんど価値のないものをクレジットカードで購入させ、その代金の何割かをキャッシュバックする業者などを指す。これらに限らず、換金目的でクレジットカードを利用することは、クレジットカード会社の会員規約に違反する行為で、クレジットカードの利用ができなくなったり、犯罪やトラブルに巻き込まれたりするケースもある

一方、同様に、ヤミ金融など非正規業者を利用したことがある、もしくは接触したことがある「事業者」の借入利用者の割合は22.9%で、昨年度の資金需要者調査と比べると7.7ポイント上昇。

事業者の借入利用者のヤミ金融等との接触経験有無(出典 : 日本貸金業協会ホームページ)

また、クレジットカードショッピング枠の現金化業者を利用したことがある、もしくは接触したことがある「事業者」の借入利用者の割合は19.8%となっており、昨年度の資金需要者調査と比べると4.1ポイント上昇した。

さらに、正規の貸金業者から借入れできないのであれば、ヤミ金融等非正規業者を利用してもやむを得ないと考えている「個人」の借入利用者は6.9%、「事業者」の借入利用者は19.7%だった。

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