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総務省は2月29日、携帯電話で使用することのできる900MHz帯の周波数をソフトバンクモバイルに割り当てることを正式に決めた。同日開かれた総務相の諮問機関「電波監理審議会」で、この方針が決定された。
700~900MHz帯の周波数は、電波が建物などを回り込んで届きやすく、山間地などでもつながりやすいため「プラチナバンド」と呼ばれている。今回、新たに割り当てられる900MHz帯をめぐってはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスの通信事業者4社が獲得に名乗りをあげていた。ドコモとKDDIは既に800MHz帯の周波数を保有しているが、契約者数で業界3位のソフトバンク、同4位のイー・アクセスはプラチナバンドを持っていなかった。審査ではこの2社が最後まで争った。
今回の正式決定を受け、ソフトバンクモバイルの孫正義社長は「大変うれしく思うと同時に、900MHzという電波をしっかり活用しなくてはという重責も感じている。引き続きネットワークの充実に邁進していきたい」とのコメントを発表した。ソフトバンクモバイルでは、900MHz帯を利用開始する時期を今年7月以降としている。iPhoneなどで、この周波数帯を利用できるようにする予定だ。基地局の整備などには向こう11年間で8207億円の投資を計画している。
携帯電話に割り当てられる周波数をめぐっては、総務省は地上アナログ放送の停波で空きが出る700MHz帯についても、今夏をめどに通信会社3社に割り当てる方針を固めている。通話品質・通信レベルの面で優劣がなくなることが予想される今後のモバイル市場。利用料金の値下げや新たなサービスの展開など、各社間によるユーザー獲得競争はさらにし烈なものになりそうだ。