米・ドルビーラボラトリーズ(以下、ドルビー)は、第84回アカデミー賞の音響編集賞および録音賞にノミネートされたすべての作品において、同社の音響技術が採用されていることを発表した。

同社では、映画制作者が意図したとおりのサウンドを映画館で正確に再現する様々な音響技術を開発・提供しており、「ドルビーデジタル」、「ドルビーデジタルサラウンドEX」、「ドルビーサラウンド7.1」といった各フォーマットは、映画の高品質オーディオにおける事実上の業界標準となっている。

特に、最新サラウンド技術「ドルビーサラウンド7.1」は2010年6月の発表以来、公開予定の作品を含め50作品以上の長編映画に採用されているといい、このたび録音賞にノミネートされた5作品のうち、『ヒューゴの不思議な発明』、『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』、『戦火の馬』といった3作品でも同技術が使用されているとのこと。

このほか、撮影賞にノミネートされた数多くの作品においても、同社の業務用ビデオモニター「ドルビー PRM-4200プロフェッショナル・リファレンス・モニター」が、制作作業のモニターとして使用されているという。

同社のシネマ部門担当シニアバイスプレジデントであるダグ・ダロウ氏は、「ドルビーの全社員を代表して、ノミネートされた皆様に祝福の意を表したいと思います。また、これらのノミネート作品に当社の技術を信頼して採用していただいたことに感謝します」などと述べている。

音響編集賞ノミネート作品

タイトル 製作 候補 採用フォーマット
『ドライヴ』 フィルムディストリクト、ボールド・フィルムズ、オッド・ロット・エンタテインメント、マーク・プラット・プロダクション ロン・ベンダー、ヴィクター・レイ・エニス ドルビーデジタル
『ドラゴン・タトゥーの女』 ソニー・ピクチャーズ・リリーシング、コロンビア・ピクチャーズ、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー・ピクチャーズ・プロダクション レン・クライス ドルビーデジタル
『ヒューゴの不思議な発明』 パラマウント・ピクチャーズ、GKフィルムズ・プロダクション フィリップ・ストックトン、ユージーン・ギアティ ドルビーデジタル、ドルビーサラウンド7.1
『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』 パラマウント・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズ・プロダクション イーサン・ヴァン・ダー・ラム、エリック・エーダール ドルビーデジタル、ドルビーサラウンド7.1
『戦火の馬』 タッチストーン、ドリームワークス・ピクチャーズ、リライアンス・エンターテインメント・プロダクション リチャード・ハイムス、ゲイリー・ライドストロム ドルビーデジタル、ドルビーサラウンド7.1

録音賞ノミネート作品

タイトル 製作 候補 採用フォーマット
『ドラゴン・タトゥーの女』 ソニー・ピクチャーズ・リリーシング、コロンビア・ピクチャーズ、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー・ピクチャーズ・プロダクション デヴィッド・パーカー、マイケル・セマニック、レン・クライス、ボー・パーション ドルビーデジタル
『ヒューゴの不思議な発明』 パラマウント・ピクチャーズ、GKフィルムズ・プロダクション トム・フライシュマン、ジョン・ミドグレイ ドルビーデジタル、ドルビーサラウンド7.1
『マネーボール』 ソニー・ピクチャーズ・リリーシング、コロンビア・ピクチャーズ・プロダクション デブ・アデア、ロン・ボコア、デイビッド・ジャマルコ、エド・ノヴィック ドルビーデジタル
『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』 パラマウント・ピクチャーズ グレッグ・P・ラッセル、ゲイリー・サマーズ、ジェフリー・J・ハボーシュ、ピーター・J・デヴリン ドルビーデジタル、ドルビーサラウンド7.1
『戦火の馬』 タッチストーン、ドリームワークス・ピクチャーズ、リライアンス・エンターテインメント・プロダクション ゲイリー・ライドストロム、アンディ・ネルソン、トム・ジョンソン、スチュアート・ウィルソン ドルビーデジタル、ドルビーサラウンド7.1