2月24日、NTTドコモ、日本電気(NEC)、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、富士通の4社は共同で、GMS、W-CDMA、HSPA+、LTEの4通信方式全てに対応可能なモデム技術の開発において、通信制御に関する機能をつかさどるLSIのエンジニアリングサンプル性能評価を経て、主要ネットワークベンダとの接続に必要な全試験工程を実施完了したと発表した。LSIを1つに集約できることで、モバイル通信機器へコンパクトに実装できるようになる。

本開発成果物のひとつであるLSIのエンジニアリングサンプル

今回の開発によって、従来の多くの場合、端末内に2つ搭載する必要があったLSIを1つに集約、コンパクトに実装することができる。さらに、通信時や待受け時の消費電力を従来比で最大20%低減することも可能という。また、搭載LSI数の減少による部品点数の削減と、高集積化によるLSIサイズの縮減によって、端末の価格低減にも寄与するとしている。

通信方式は全て3GPPによる標準規格に準拠し、特にLTEについてはドコモが採用しているFDD方式、中国等で採用が予定されているTDD方式に両対応している。4社は、この開発に基づくLSIの採用によって、端末のダウンサイジングやコストダウン、端末メーカによる迅速な製品化が可能となると優位性をアピールしており、4社を含む合弁会社を通じた国内外への販売展開を検討中だ。また、次世代の通信規格であるLTE-Advancedへの対応を含む拡張開発も計画されているとのこと。

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