米Appleは2月13日(現地時間)、同社製品の最終組み立てを請け負うパートナーの施設に対して、公正労働協会 (Fair Labor Association:FLA)が任意監査を行うと発表した。これはAppleの依頼によるもので、公正労働協会プレジデントのAuret van Heerden氏が率いる専門チームが同日より中国南部の深川にあるFoxconnの工場から調査を開始する。
2010年にFoxconnの工場で自殺者が相次いると報じられてから、中国の過酷な製造現場の問題が度々指摘されてきた。また高い失業率や格差の拡大など米国内の問題も、中国のサプライヤーを利用する企業への逆風を強める一因となっている。今年1月にAppleは記録的な12月期決算を発表したが、前後してNew York Timesが組み立て工場の劣悪な労働環境を伝える特集を組み、それがきっかけとなってApple Storeを標的とした抗議デモが起こった。
Appleは2006年よりサプライチェーンの組み立て施設の監査を毎年行っており、労働環境に関する年次レポートを公開している。今年1月にはテクノロジー企業として初めて公正労働協会に加盟し、透明性を高めるためにサプライヤーのリストを公開した。しかしながら、同社のサプライヤー責任を疑問視する声は根強く、対策として独立監査機関である公正労働協会に裏付けを求めた形だ。監査対象にはFoxconnの深川工場や成都工場が含まれ、公正労働協会は工場や寮、その他の施設を検査し、健康や安全性、報酬・補償、労働時間、マネージメントなどについて数千人規模の労働者から話を聞く。