米TechNetは2月7日(現地時間)、彼らがスポンサードしてまとめた最新の調査の結果として、「App Economy」と呼ばれる新たなIT労働者の市場が誕生していると報告した。この市場はおよそ50万人の雇用を創出しているといい、2007年時点でゼロだったモバイルアプリ市場が急速に立ち上がっている様子がうかがえる。
この調査はTechNetがスポンサーになる形でSouth Mountain EconomicsのMichael Mandel氏らのチームによってまとめられたもので、調査報告の全文がPDF形式で「Where the Jobs Are」(PDF形式)のタイトルで公開されている。日本と違い、高機能の携帯電話の普及が遅れていた米国では、2007年のiPhone登場までモバイルアプリに相当する市場が存在しておらず、事実上AppleがApp Storeというアプリストアをオープンするととともに立ち上がった市場とみることができる。この分野に、現時点ですでに46万6,000人の開発者人口が存在しており、今後もさらに増え続けるとの予測だ。
App Economyにおいて興味深い現象の1つは、「場所を選ばない」という点だ。従来のITにおけるソフトウェアやサービス開発では、シリコンバレーやニューヨーク、大学周辺の教育都市など、その拠点が偏っている傾向があった。もちろんApp Economyの人口を見ても、都市圏別では「ニューヨーク~北ニュージャージー~ロングアイランド」「サンフランシスコ~オークランド~フリモント」「サンノゼ~サニーベール~サンタクララ」「シアトル~タコマ~ベルビュー」、州別では「カリフォルニア州」「ニューヨーク州」「ワシントン州」「テキサス州」といった、名だたるIT企業の集積地や大学都市が上位を占めているものの、一方でカリフォルニアとニューヨーク以外の地域の職業人口が3分の2以上存在しており、急速に人口においても地域においても拡大する傾向がみられるという。こうした現象は人の交流や資金の流れも活発化していることを意味しており、今後のトレンドの1つになるかもしれない。