いきなりトリプルファン搭載モデルも

AMDの新世代GPU「Radeon HD 7900」シリーズに、下位モデルの「Radeon HD 7950」が新登場、搭載グラフィックスカードが一斉に発売された。リファレンス準拠ばかりだった上位モデル「HD 7970」とは異なり、初登場時からオーバークロックモデルやオリジナルVGAクーラーモデルなどがラインナップされ、バラエティに富んでいる。

「Radeon HD 7950」が発売に

取材時に発売が確認できたのは、6社からの7モデル。SAPPHIRE、GIGABYTE、PowerColorからは、オリジナルVGAクーラーを搭載したオーバークロックモデルが登場しており、注目だ。価格は以下の通り。

■Radeon HD 7950の価格帯
メーカー クロック 価格帯
SAPPHIRE ノーマル 48000円~50000円前後
SAPPHIRE 900MHz 52000円~54000円前後
SAPPHIRE(並行) ノーマル 42980円(ドスパラ)
SAPPHIRE(並行) 900MHz 46980円(同上)
MSI 830MHz 47000円~53000円前後
GIGABYTE 900MHz 46000円~48000円前後
HIS ノーマル 48000円~50000円前後
玄人志向 ノーマル 44000円~46000円前後
PowerColor 880MHz 48000円~52000円前後

SAPPHIREのOC版(手前)とノーマル版(奥)。パッケージデザインも異なる

OCモデルは、オリジナルのデュアルファンクーラーを搭載する

MSIの「R7950-2PMD3GD5 OC」

カード本体。残念ながらクーラーは「Twin Frozr」ではない

GIGABYTEの「GV-R797OC-3GD」

トリプルファンのオリジナルクーラー「WINDFORCE 3X」を搭載する

PowerColorの「AX7950 3GBD5-2DHPP」。同社にしては箱が大きめ

9cmのデュアルファンを搭載している

玄人志向の「RH7950-E3GHD」

HISの「H795F3G2M」

HD 7950のスペックについてだが、HD 7970に比べると、ストリームプロセッサ数は2,048基から1,792基へと12.5%削減。そのほか各種クロックも若干抑えられており、カードの最大消費電力を200Wまで下げたことで、補助電源が8ピン+6ピンから6ピン×2になって使いやすくなった。

■Radeon HD 7900シリーズの仕様の比較
GPU HD 7970 HD 7950
コアクロック 925MHz 800MHz
ストリームプロセッサ 2048基 1792基
テクスチャユニット 128基 112基
メモリクロック 1375MHz 1250MHz
メモリデータレート 5.5Gbps 5.0Gbps
メモリ 3GB GDDR5
最大消費電力 250W 200W

ただ、5万円台前半の製品もあるHD 7970に価格的に近く、ちょっと割高感があるのも事実。「GeForce相手に考えれば、GTX 280と同等以上の性能で消費電力が低く、悪くないモデルだが、Radeon同士で見るとコストパフォーマンスが気になる。4万円台前半まで下がってくれないと厳しい」(某ショップ)という声も。

あのZALMANがVGA市場に参入

なんとZALMANから、Radeon HD 7970を搭載するグラフィックスカードが新発売。同社はCPU/VGAクーラーやファンレスケースなどの製品で知られるが、初めてグラフィックスカード市場に参入、これが店頭での第1弾モデルとなった。残念ながらオリジナルVGAクーラー搭載モデルではないが、それは今後に期待だろう。価格は57,000円前後。

ZALMANから初のグラフィックスカード。しかしこのパッケージデザインは…

カード本体は外観・スペックともリファレンス準拠。価格も普通だ

カードの荷重を支える土台が付属しているが、なぜかHISのロゴが

パッケージ裏面のデザインも、なんだかHISのような…