女優の松雪泰子が1日、東京・渋谷のNHK放送センターで行われたNHK大河ドラマ『平清盛』の記者会見に出席した。

NHK大河ドラマ『平清盛』の記者会見に出席した松雪泰子 拡大画像を見る

5日放送の第5回『海賊討伐』から登場する、松雪演じる得子(美福門院)は、朝廷の再生に身を投じた最強の"女帝"。中流貴族出身で、鳥羽上皇(三上博史)のもとに入内(じゅだい)したが、鳥羽の心が璋子(檀れい)にあることに気がつき、激しい"女の争い"が始まる。璋子の死後は、自ら政治に乗り出し、朝廷内に絶大な力を発揮していくという人物。スタジオで行われた取材会に黒い衣装姿で登場した松雪は、「得子はとても頭の良い女性。帝を操り、あらゆる人を政治的に翻弄します。女性陣の中では唯一怖い役で、とても面白いです」とあいさつした。

劇中では、璋子に激しい対抗心を燃やしているが、「鳥羽の心を得たいという女性の気持ち、女の情念というものを人間的に演じています」とコメントし、「自分には無いものを璋子は持っていると感じているんですよね。どう足掻いても人生で絶対に手に入れることが出来ないものがあるという点は、何となく共感します」と語った。ライバルである璋子役の檀については、「檀さんとは共通の友人がいるので、以前から共演したいねって言ってたんです。撮影はすごく面白かったんですが、檀さんはもうクランクアップしてしまったので、ちょっと寂しい」と明かした。

また、大河ドラマ初出演となる松雪は、「シーンの頭から最後まで1カットで撮るので、芝居の集中力はすごい。良い緊張感の中でやってます」と笑顔。「個人的にすごく好きな映画は『羅生門』なんですが、この作品にも“静かな中にあるリアルな躍動感”を感じました」とドラマについて語った。得子の登場で政治的局面が動き、最終的には国政を託され実質的な頂点に君臨する得子。松雪は「政治に君臨するという情念とパワーは常に秘めています。最後まで、そういうスタンスで演じたい」と意気込み、「得子は権力意欲にはしり、人間としては愚かだなと思いますが、この部分を表現していけたら」と思いを語った。

NHK大河ドラマ『平清盛』は、NHK総合テレビで毎週日曜20:00~20:45に放送中(全50回)。キャストは、主演の松山ケンイチのほか、玉木宏、松田翔太、深田恭子、中井貴一らが出演している。