ルーニー・マーラ(左)、デヴィッド・フィンチャー(右)

第84回アカデミー賞に5部門でノミネートされている映画『ドラゴン・タトゥーの女』来日記者会見が31日都内で行われ、主演女優賞にノミネートされているヒロインのルーニー・マーラと監督のデヴィット・フィンチャーが出席した。

故・スティーグ・ラーソンによる世界的ベストセラー小説をベースにしたスウェーデン映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』を、映画『セブン』『ソーシャル・ネットワーク』のフィンチャー監督がハリウッドリメイク。経済誌「ミレニアム」の発行責任者でジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)と背中から肩に掛けて龍のタトゥを施した天才ハッカーのリスベット(マーラ)が、資産家からの依頼で40年前に失踪した少女の事件に迫っていく。

ルーニーは、フィンチャー監督との前作『ソーシャルネット・ネットワーク』で100テイクの撮り直しをされたそうだが、本作での最大テイク数を聞かれるも「全てのシーンで撮り直すのが彼の手法。それが当たり前だと思っていたわ」とクールに返答。すかさずフィンチャー監督は「54回あったよね?」とジョークを飛ばし、初来日のルーニーの緊張をほぐしていた。

オリジナル版は一度しか観ていないというフィンチャー監督は「脚色がだいぶ違うと聞いているし、自分が原作を読んで感じたことを忠実に描くように心がけた。オリジナルを意識して変えようと意図したことは一度もないよ」と違いを強調。インドでは公開中止になるなど、体当たり演技を見せているルーニーは「若い女優にとってこのような役は大きなチャンス」と自信をのぞかせ「原作を読んで大好きになったキャラクター。人生の中で誤解されている、のけ者にされる経験は誰にでもあること。そんな部分に共感することができたの」と思い入れを語った。

ミカエル役のダニエル・クレイグの起用についてフィンチャー監督は「ミカエルには、男らしさや、女性に対して上手い聞き役であること、ウィットに富んでいることを求めていて、全てを網羅しているのが彼。ジェームズ・ボンドのイメージが強いかもしれないけれど、彼は才能豊かな俳優さ」と説明。初共演となったルーニーも「本当にアメイジングな経験。新人の私に色々と教えてくれて、共演者として彼に勝る人はいないわ」と絶賛していた。また原作がトリロジーであることから、フィンチャー監督は「沢山の方々に観てもらわなければ、2、3と続かないからね」と続編製作にも意欲を見せた。

映画『ドラゴン・タトゥーの女』2月10日より、TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開

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