デビュー10年未満の若手芸人を対象としたお笑いコンテスト『第33回ABCお笑いグランプリ』の決勝が29日、ABCテレビほかで生放送され、2004年結成のかまいたち(よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)がグランプリに輝いた。

今回から全国に門戸を広げた『第33回ABCお笑いグランプリ』で優勝したかまいたち(左から、山内健司、濱家隆一) 拡大画像を見る

1980年にスタートし、ダウンタウン、ナインティナインらスターを輩出してきた関西若手芸人の登竜門『ABCお笑い新人グランプリ』がリニューアルされ、新たなルールで開催された今大会。関西のみならず全国から挑戦者を募り、優勝賞金も前回の100万円から300万円に増額されたとあって、エントリー数は昨年度の103組から449組へと一気に跳ね上がった。

そんな激戦をくぐり抜けた決勝進出者は10組(さらば青春の光、かまいたち、ソーセージ、学天即、三日月マンハッタン、ジャルジャル、ジグザグジギー、藤崎マーケット、パップコーン、プラスマイナス 以上、予選通過ランキング順)。各組が決勝で披露できるネタは1本のみ。ワンチャンスにすべてを賭け、500点満点の得点を競いながらトップ争いを繰り広げる、熾烈な"一発勝負"のバトルとなった。

決勝で披露したコント「ホームルーム」では、山内が豹変するキャラで爆笑をさらった

ハイレベルな10組が揃った決勝は、2~4点のわずかな差でトップが入れ替わる大波乱の展開に。そんな中、終盤の9組目に登場したかまいたちが458点をマークし、予選通過1位のさらば青春の光を4点差で抑えてグランプリを勝ちとった。

かまいたちは2007年の同コンテストでグランプリの最優秀新人賞を獲得。結成2年目にして若手最高の栄誉をつかんだが、それ以降はスランプに苦しんでいたという。山内は「ここ4~5年は伸び悩んでました。あれから賞レースで何も結果が出せなくて、優勝の難しさを知りました」、濱家は「同期がメジャーになったり、同じ劇場に出ているコンビが売れたりする中で、僕らだけ特に何もなく、(前回の優勝に)何の恩返しもできなかった」と5年間の苦悩を吐露した。

それだけに今回の快挙は「本当にうれしい」と口を揃える2人。優勝決定の瞬間には涙で言葉も出ないほど感激していた濱家は「この1回に賭けて、絶対に優勝しようという気持ちだったので感慨深いです」と喜びを語り、山内は「この優勝をきっかけに、もう一度がんばらせていただきたい」と意気込みを新たにしていた。

優勝賞金300万円の使い途については、山内が「単独ライブですごい豪華なコントをしたい」、濱家が「100万円は母親にあげて、残りで後輩とパッと飲み食いしたい」と。だが実は濱家、28歳の若さで「痛風になってしまった」らしく、「僕はお茶を飲むだけ。あとは後輩に焼肉なり寿司なり食べてもらいたいと思います」と明かして笑わせていた。