NokiaのLumia 900

フィンランドのNokiaは1月26日(現地時間)、2011年第4四半期(10-12月期)決算を発表した。同四半期の売上は100億ユーロで前年同期比21%のダウン、純利益(損失)は10億7000万ユーロの赤字で、前年同期の7億4500万ユーロの黒字からのダウンだった。特にスマートフォン製品の売上が大幅に落ち込んだことが業績悪化の原因だが、一方で初のWindows Phone端末「Lumia」のセールスは100万台を突破したことを報告しており、将来の復活に向けた一定の道筋をつけた。

携帯端末販売などデバイス事業を細かくみていくと、同事業の売上全体が59億9700万ユーロで前年同期比29%のダウン、このうちフィーチャーフォンなどの一般携帯電話が30億4000万ユーロで23%のダウン、スマートフォンが27億4700万ユーロで38%のダウンだった。出荷台数ベースでは一般の携帯電話が9390万台で1%のダウン、スマートフォンが1960万台で31%のダウンとなった。平均販売価格(ASP)はスマートフォンが140ユーロで9%のダウン、その他の携帯電話が32ユーロで24%のダウンとなっている。スマートフォンのASPは2011年第3四半期の水準から7%ほど上昇しており、ハイエンドデバイスの販売がある程度好調だったことをうかがわせる。ただ、一般的な携帯電話の販売がASP下落圧力がありながらも引き続き順調な一方で、スマートフォンは台数と金額ともに大きく落ち込んでおり、昨今のNokiaの苦境を示す形となった。Lumiaシリーズの販売が100万台を突破したというニュースはあるものの、ライバルのAppleは同時期に3704万台のiPhone販売を達成しており、対抗勢力となるためにはもう数段の努力が必要になるとみられる。

またNokia決算で発表されたもう1つ興味深い話題としては、米Microsoftから「Platform Support Payments」と呼ばれる2億5000万米ドル(約1億8000万ユーロ)の支払いが同時期に初めて行われたことが挙げられる。以前、NokiaがMicrosoftの提携合意に際して数十億ドル規模の支払いが行われることが報じられているが、筆者が欧州のキャリア関係者から聞いたところによれば、この金額規模はトータルで10億ドルであり、今後複数回にわたって同額程度の支払いが定期的に行われるものとみられる。