専用フラッシュメモリを搭載し、スリープや休止からの高速復帰を実現
Aspire Sシリーズの魅力として挙げられるのが、エイサー独自の「Acer Instant On」と「Acer Instant Connect」の搭載だ。Acer Instant Onは、スリープや休止状態から素早く復帰する機能で、スリープからは最短約1.5秒、休止状態からでも最短約6秒で復帰するという。
通常のノートPCでは、休止状態に移る際にメモリの内容をHDDやSSDへ退避し、復帰時にその内容を再びメモリに読み込む仕組みになっている。Aspire Sシリーズでは、メモリ内容を退避するための専用フラッシュメモリが搭載されているため、素早い復帰を実現しているのだ。実際にテストしたところ、スリープからの復帰は約1.5秒、休止状態からの復帰は約7秒で、復帰にかかる時間はHDD搭載の下位モデルとほとんど変わらなかった。
また、スリープ状態で一定時間が経過すると自動的に休止状態に移行し、メモリへの電源供給をカットすることで、バッテリの消耗を抑えるようになっている。この移行時間は、専用ユーティリティを使って120分か480分を選択可能だ。休止状態の消費電力は非常に小さく、ACアダプタを繋がずとも、約50日間も状態を保持できる。
もう1つの独自機能であるAcer Instant Connectは、スリープや休止状態から復帰した際に、素早く無線LANアクセスポイントに再接続する機能だ。通常のPCでは、電波が届いているすべてのアクセスポイントを検索して再接続を行うが、Acer Instant Connectでは、以前接続したアクセスポイントを記憶しておく。スリープ/休止状態から復帰後、記憶したアクセスポイントが見つかった時点で検索をやめて接続するので、約2.5秒で再接続できるという仕組みだ(通常は平均10秒程度)。
Core i3搭載のHDDモデルに比べて格段に高い性能を実現
参考のために、いくつかベンチマークテストを行った。下位モデルのAspire S3-951-F34Cでも同じベンチマークテストを行ったので、その結果と比較していきたい。利用したベンチマークソフトプログラムは「PCMark7」と「PCMark Vantage」である。結果は下の表にまとめた通りだ。
PCMark 7の総合スコアであるPCMark Scoreの結果は、超低電圧版Core i3とHDDを搭載したAspire S3-951-F34Cが「1554」なのに対し、超低電圧版Core i7とSSDを搭載したAspire S3-951-F74Uは「3396」と約2.2倍にもなっている。また、ストレージ性能を計測するSystem storage scoreは、Aspire S3-951-F34Cが「1390」なのに対し、Aspire S3-951-F74Uは「4956」と約3.5倍の差がある。やはり、SSDとHDDのアクセス性能の差は大きく、体感的にもその差は十分に感じられた。
■ PCMark 7 | ||
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Aspire S3-951-F34C | Aspire S3-951-F74U | |
PCMark score | 1554 | 3396 |
Lightweight score | 1262 | 3896 |
Productivity score | 820 | 3101 |
Creativity score | 3175 | 6523 |
Entertainment score | 1643 | 2404 |
Computation score | 6126 | 8430 |
System storage score | 1390 | 4956 |
■ PCMark Vantage 64bit | ||
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Aspire S3-951-F34C | Aspire S3-951-F74U | |
PCMark Score | 3930 | 10063 |
Memories Score | 2644 | 5995 |
TV and Movies Score | 2773 | 4482 |
Gaming Score | 2970 | 7959 |
Music Score | 3882 | 12229 |
Communications Score | 3452 | 10925 |
Productivity Score | 3181 | 12706 |
HDD Score | 3422 | 35789 |
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果は、プロセッサが「6.9」(Aspire S3-951-F34Cは5.1)、メモリが「5.9」(同5.9)、グラフィックスが「4.5」(同4.5)、ゲーム用グラフィックスが「6.1」(同6.1)、プライマリハードディスクが「7.9」(同5.9)であり、プロセッサとプライマリハードディスクのスコアが下位モデルよりも高い。
さらに、BBench 1.01(海人氏作)を利用して、バッテリベンチテストも行ってみた。Windows 7の電源プランは「バランス」で、液晶輝度は「中」、無線LAN経由で1分ごとにWebアクセス、10秒ごとにキー入力を行う設定で計測したところ、5時間42分という結果になった。同条件で計測した下位モデルのバッテリベンチ結果は、5時間10分であり、上位モデルのほうが32分長かった。SSDのほうがHDDに比べて消費電力が少ないため、公称バッテリ駆動時間も1時間長くなっており、妥当な結果といえる。無線LAN常時オンでこれだけバッテリが持てば、合格点をつけられるだろう。
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