キヤノンは19日、デジタルビデオカメラ「iVIS(アイビス)」の新モデル「iVIS HF M52」および「iVIS HF M51」を発表した。両モデルとも内蔵メモリに撮影データを記録可能で、内蔵メモリ容量はともに32GBとなっている。発売は3月上旬で、価格はオープン。推定市場価格はHF M52が85,000円前後、HF M51が80,000円前後となる見込み。
昨年発売された「iVIS HF M43」「iVIS HF M41」と同様に、業務用ビデオカメラと同等のイメージセンサー「HD CMOS PRO」を搭載するモデル。マイクロレンズとカラーフィルターの透過率が改善され、光に対する感度が20%アップし、最低撮影照度が従来の1.5ルクス(M41の場合、1/30秒撮影時)から1.2ルクスとなった。白とびや黒つぶれを低減し、解像感も向上している。
ブレ補正機能は、一部の同社製デジタルカメラでもすでに採用されている「マルチシーンIS」を搭載した。これは、撮影状況に応じて4つのモードのブレ補正を自動で切り替えるというもの。自動切り替えが行われる4つのモードは、望遠撮影時などに生じやすい低周波の手ブレを補正する「パワードIS」、歩き撮り時の大小レベルの異なる手ブレを補正する「ダイナミックIS」、マクロ撮影時の角度ブレ・シフトブレを補正する「マクロIS」、および三脚使用時にブレ補正を停止させる「三脚モード」だ。
撮影を助けてくれるアシスト機能も進化している。まず、「シナリオモード」は、従来より具体化。これは「旅行」「キッズ」などのテーマごとに盛り上がりのある映像となるように撮影シーンをナビゲートしてくれるモードだが、従来の「学校行事」「イベント」に代わって「入園・入学式」「運動会」などの具体的なテーマが追加され、より利用しやすくなった。
また、撮影場面に合わせてシーンモードを選ぶと、最適なオーディオ設定が適用される「オーディオシーンセレクト」も新たに追加された。
HF M52にのみ備えられている機能としては、無線LAN接続機能が挙げられる。対応する規格はIEEE802.11b/g/n。外出先で撮影したデータを無線LANでiPhoneやiPadに転送し、そこから携帯電話回線でウェブサイトにアップロードしたり、自宅でアクセスポイントを介してパソコンへ保存したりできる(Android OS端末との接続はサポートされていない)。また、DLNAガイドラインにも準拠しているので、アクセスポイントと無線LANで接続しておいたHF M52内の動画を、テレビなどの他のDLNA準拠機器で視聴することも可能。
その他の主な仕様は、撮像素子が有効約240万画素の1/3型HD CMOS PROで、動画記録画素数が1,920×1,080ドット(フルHD)、光学ズーム倍率が10倍、フォーカスがハイスピードAF、動画記録方式がAVCHDおよびMP4となっている。モニターはタッチパネル方式の3型液晶で、本体サイズはW68×D121×H64mm、重量は310gとなっている。
なおHF M52のみ、USB方式の外付けHDDを直接つないで、データをバックアップすることが可能となっている。