俳優の小栗旬、役所広司らが18日、都内で行われた、映画『キツツキと雨』の完成披露試写会に出席した。

映画『キツツキと雨』の完成披露試写会に出席した役所広司(右)と小栗旬 拡大画像を見る

映画『キツツキと雨』は、人里離れた山村に暮らす木こりの岸克彦(役所)と、村に突然、ゾンビ映画の撮影にやってきた気弱な新人映画監督の田辺幸一(小栗)の交流を通し、村人と映画の撮影隊のおかしくも温かい関係を描く。『南極料理人』を手掛けた沖田修一が監督・脚本を務め、第8回ドバイ国際映画祭で最優秀男優賞・脚本賞・編集賞を受賞した作品で、映画は、2月11日より全国公開。

舞台あいさつには、小栗、役所のほか、キャストの古舘寛治、伊武雅刀と沖田監督が出席し、沖田監督は「ドバイという遠い所で、素直に喜んで観て頂けてうれしい。楽しんで観て下さい」とPR。なぜか1人だけ、羽織袴で登場した小栗は、「年も明けたし、気持ちを引き締めてキュッとしようと思って。『あいつ、舞台あいさつはいつも着物だよ』って言われるようになりたい。着物の仕事もくるかもしれないし。でも、舞台裏でみんなに"若旦那"って言われて、若干恥ずかしいです」と気合を入れた割には、恥ずかしそうにしていた。

イベントでは、人との温かい絆を描く同作にちなみ、キャストが観客の悩みに答える"人生相談コーナー"が設けられ、好きな人を想って涙したいという20代女性に、「好きかどうか分からないうちに怖がらないでGOしちゃう」(古舘)、「泣けるうちはまだいいのよ。若いから余裕ある」(伊武)とそれぞれコメントしていたが、小栗は「そうか……うーん?」と思案顔。役所が「ヒドイ男に捕まるしかないんじゃないかな(笑)」と話すと、すぐさま「それが一番早いですね」と賛同した。また、役者になりたいという妻子持ちの30代男性には、「子供が路頭に迷うという覚悟がないと。僕らの仕事は失業中みたいなものですから」(役所)、「僕は、何十年もかみさんが尊敬してくれない。その覚悟があるなら」(伊武)、「本当に、役者は"一寸先は闇"です」(小栗)とキャスト陣全員が、厳しいアドバイスを送っていた。

左から、古舘寛治、小栗旬、役所広司、伊武雅刀、沖田修一監督