Acerは、米国ラスベガス市で、プレスカンファレンスを1月8日(現地時間)に開催、ウルトラブックなどの新製品やクラウドサービスを発表した。Acerが今回発表したウルトラブックは、「Aspire S5」「Aspire Timeline Ultra 14インチ」「同15インチ」の3機種。

Aspire S5は、現在、国内でも販売されているウルトラブックAspire S3と同じSシリーズとなるが、最厚部で15mmと発表時点で世界最薄をうたう。液晶は13.3インチ、重量は1.35キログラムとなっている。

薄さを重視したウルトラブック「Aspire S5」を説明するAcer社PCGO事業部社長のCampbell Kan氏

コネクタ部分に工夫を凝らし薄さを重視した「Aspire S5」

コネクタ部分を普段は畳んでおき、つかうときだけ引っ張り出してつかう「Magical I/Oポートパネル」を装備している。HDMI、USB 3.0および20Gbpsの「ThunderBolt」コネクタは、本体後部にあるが、普段はパネルの下に隠れている。つかうときにパネルを底面側に引き出すことでコネクタが現れる。

「Aspire S5」では、コネクタ部分は普段は本体内に収納されており、つかう場合に、下側に引き出す構造を採用して、本体後部のデザインもすっきりとしたものにしている

さらに起動やリジュームが高速な「Acer Green Instant On」を搭載、スリープ状態から1.5秒で復帰するという。

また、ネットワーク接続を高速化する「Acer Always Connect」も装備する。これは、FacebookやTwitter、Outlookのメールなどを表示するまでの時間を短縮できるという。スリープ中に短時間起動して必要な通信を行うようなものではないかと想像される。

また、このAcer Always Connectをつかうことで、スリープ中のPCをスマートフォンから起動させることもできるという。

Aspire Timeline Ultraシリーズは、同社のTimelineシリーズとなるウルトラブック。14インチ、15インチの2つのモデルが用意される。

「TimeLine Ultra」は、ウルトラブックだが、光学ドライブ内蔵など、実用性を重視

Timeline Ultraシリーズは、ウルトラブックだが、2スピンドル構成で高性能CPUを搭載し、バッテリ8時間駆動を実現する。

Aspire S5が可搬性を重視したのに対して、Timeline Ultraシリーズは、性能を重視したモデルのようだ。また、Aspire S5およびAspire Timeline Ultraの出荷は、今年の第2四半期に出荷が開始される。

Acerユーザー専用のクラウドサービスとAndroidタブレット

また、Acerは、自社製品ユーザー向けのクラウドサービスである「AcerClude」を発表した。これは、「写真」、「文書」、「音楽」をクラウド側で保存、AndroidドデバイスやPCなどからの共有を可能にする。PC側は専用ソフトを使い、ソフトは新機種にバンドルされる。また、Android用アプリケーションは、Androidマーケットからダウンロードし、Acer以外のスマートフォンなどからも利用可能だという。

今年の第2四半期から北米および中国本土でサービスを開始し、第4四半期には世界中で利用可能とする予定だという。利用料金は無料である。現在でも、北米で販売されるタブレットなどには、Clear.fiと呼ばれるクラウド文書同期ソフトウェアが搭載されており、AcerCludeは、こうした既存のオンラインサービスを拡大してクラウドとして提供するもののようだ。

AcerCludeは、clear.fi Photo(写真ファイル)、clear.fi Media(音楽データファイル)、AcerCloud Docs(文書ファイル)の3つのサービスから構成されている

また、今年出荷予定の10インチAndroidタブレットについても言及したが、正式な発表は後日行う予定。CPUにクワッドコアプロセッサを採用し、1080pのフルHD表示を可能にするという。デモ機種の画面は、Android 4.0だった。また、名称は「Acer ICONIA TAB」となっており、現行のA500などと同じシリーズになる。

クアッドコアを採用した10インチタブレット。縦方向の解像度が1080ドットのフルHD動画を表示可能

次世代Iconia TABをデモするKan氏。今回は紹介のみで詳細なスペックなどの公開はなし