パナソニックは10日、4K2K表示に対応するディスプレイとして世界最小となる20.4型の「4K2K IPSα液晶パネル」を開発したことを発表した。10~13日に米国で開催される「2012 International CES」に参考出展される。
フルHD(1,920×1,080ドット)の4倍となる3,840×2,160ドット、いわゆる「4K2K」表示に対応するディスプレイ。1インチあたり216画素という超高精細を誇り、20型程度ながら肉眼では識別困難なほどの微細な表示が可能となっている。厚さは3.5mmと薄く、さまざまな用途の利用が可能だ。
IPSαパネルは、シンプルな画素構造で画素分割をせずに広い視野角を備え、また画素の開口率が高いというIPS方式の特徴に加え、透明電極の採用などにより高透過率を実現するパナソニック独自の「IPS-Pro技術」を用いたパネル。今回の開発品では、IPSαのポテンシャルをさらに引き出して 「超高開口率画素構造」 と「新液晶配向プロセス技術」を搭載することに成功した。
超高開口率画素構造は、画素構造を超高精細化した場合に発生する電界の影響を大幅に低減するとともに、透過率を従来構造比で約2倍に高めるもの。従来の画素構造を用いて超高精細化した場合に、液晶配向が乱れてコントラストが低下するという問題点を改善した。一方の新液晶配向プロセス技術は、液晶のTFT基板に対して面を平行に保って回転する液晶分子の配向性能を高めたもの。
これらの新技術により、微細な線や細かな質感、背景の奥行き感までを実物に忠実に映し出すことができるという。
主な仕様は、画面サイズが20.4型で画素数が829万ドット(3,840×2,160ドット)、輝度が450cd/平方m、色再現性が70%となっている。