俳優のオダギリジョーとチャン・ドンゴンが5日、都内で行われた映画『マイ・ウェイ 12,000キロの真実』の大ヒット祈願・書き初めイベントに登場した。
左から、カン・ジェギュ監督、オダギリジョー、チャン・ドンゴン 拡大画像を見る |
「あけましておめでとうございます」とあいさつしたオダギリは「『今日のオダギリは終始無言でした』と書いてもらえれば」とおどけながらも、「日本と韓国は微妙な関係が続いてきた二カ国。その中でカン・ジェギュ監督が当時の日本の韓国と青年の友情を描くという、いままで誰も触れようとしなかったことを映画化したことがどれだけ挑戦的か。意義があると思います」と真摯に語った。
韓国映画市場最高の25億円の制作費とアジアからヨーロッパにかけての240日にわたる大陸横断ロケを経て、空前のスケールでおくるふたりの青年の友情の物語。実話をもとに、朝鮮半島からノルマンディ上陸作戦まで1200キロを経て日本、ソ連、ドイツという三国の軍服を着て戦い、全てを失った男が最後にたどり着いた"マイ・ウェイ(生きる道)"が描かれる。1月14日より全国公開。
今年2月に行われるベルリン国際映画祭への出品が決まったことにカン・ジェギュ監督は「この映画が持っているメッセージは誰かを恨んだり憎悪したりという気持ちを込めたわけではありません。正直に素直になって心を開きひとつになることが大切。韓国や日本に限らず世界の方にそのメッセージが伝わってくれることを願います」と思いを込めた。オダギリは「こういう商業的な大作で3大映画祭に選ばれることはなかなかあることではないので、監督もかなりのお金をベルリンに渡したのかな(笑)」とユーモアを交えて会場を笑わせた。
日本人としてマラソンのオリンピック代表を目指すという複雑な心境をいだいた朝鮮人の青年を演じたチャンは「ヨーロッパの方はヨーロッパ方の視線で描いてきましたが、東洋人の視線から見た第二次世界大戦は新鮮に見えるのでは。観客のみなさんにどのように映るか楽しみです」すでに韓国では公開されている同作に「歴史的背景を背負った作品で日本のみなさんがどのように観るのか気になる作品です。もっともこの映画は理念やイデオロギーに関心をもって作ったものではなく、夢と希望の作品。厳しさに立ち向かって克服していく作品。日本でも大きな災害がありましたが、ふたりの姿を通じて少しでも希望をもてお役にたてれば」と語った。
イベントでは今年の干支にちなんで書かれた「龍」の字を書き、オダギリとチャンが龍の目を入れてヒットを祈願。今年年男のオダギリは「日本では珍しい戦争映画ですけれどどう受け止められるか興味の方が大きいです」と微笑んでいた。