米Googleは1月5日(現地時間)、スピードとセキュリティを大幅に強化する新機能を備えたChrome 17のベータ版 (17.0.963.26)をリリースした。
スピードの改善はプリレンダリング機能を用いたWebページ表示の高速化だ。ユーザーがOmonibox (アドレスバー)にURLを入力し始め、自動コンプリート機能が動作する場合、ChromeはユーザーのURL入力の完了を待たずに、ユーザーが訪れる可能性の高いWebページの読み込みを開始する。プリレンダリングされたWebページをユーザーが開くと、キャッシュ効果ですばやくWebページがロードされる。
セキュリティ面の改善では、実行可能な悪意のあるファイルへの対策が強化されている。これまでGoogleは主に、コンピュータの弱点を突いてくるWebサイトからChromeユーザーを保護することに力を入れてきたが、Webサイト自体は無害でも有害なプログラムをダウンロードさせようとするサイトが増加している。中には無料のアンチウイルス・ソフトを装ったものもあり、ユーザーが信用してダウンロードした有害なファイルを実行してしまうケースが少なくない。そこで、ユーザーがダウンロードした実行可能なファイル (拡張子が.exe、.msiのファイルなど)をChromeが識別する機能を拡張し、既知の危険なファイル、または危険なファイルを配布している可能性が高いWebサイトからのダウンロードに警告を発するようにした。現時点で警告対象となるプログラムは少数だが、正式版への実装に向け、今後数ヶ月で危険なプログラムのリストを強化していくという。